日韓GSOMIA更新が近づき…脅威と向き合わない韓国にだけ構ってはいられない
韓国にだけ構ってはいられない
GSOMIAがあれば、米軍が日韓と共有する情報はひとつで済むが、なくなれば米軍自身が利用する情報、自衛隊と共有する情報、韓国軍と共有する情報の3つが必要で、米軍にとってはコストとなる。
米軍が自衛隊と韓国軍に詳細な情報を開示しているかどうかはわからない。
もし、米軍が衛星で捉えたデータの解像度を落とすなど、自軍用と共有用のデータを別にしているならば、米軍が管理するデータの数はさらに増えることになる。
米トランプ政権は18年以降、韓国が負担する在韓米軍の駐留経費の増額を要求してきた。米国は途上国に駐留する米軍の経費は、その大半を負担している。韓国が途上国だった頃、米国は在韓米軍コストの多くを支払ってきたが、トランプ大統領はG7入りを目論む韓国に容赦はしない。19年2月に前年比8・2%の増額で合意したが、米国は次年度以降、大幅な韓国側の負担増を要求した。不況をエスカレートさせ、税収減を自ら招いた文政権が受け入れられる額ではなかった。
米韓GSOMIAを活用できるから日韓GSOMIAは破棄して構わないと言いながら、在韓米軍の駐留費交渉で韓国側の負担増が一歩も前進しない状況に業を煮やした米国は、19年11月19日の協議で席を立ち交渉は決裂した。
その3日後、韓国政府は日韓GSOMIA破棄を取り消して延長すると日本政府に通知し、同月28日に北朝鮮はミサイルを発射した。
韓国軍は北朝鮮に対峙しているが、自衛隊は北朝鮮と中国に目を光らせており、米軍はさらに多くの地域に目を光らせている。
韓国にだけ構ってはいられないのである。
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