日韓GSOMIA更新が近づき…脅威と向き合わない韓国にだけ構ってはいられない
日本と韓国、双方とGSOMIAを締結している米軍は、すべての情報を入手できるが
韓国軍が入手する「発射と上昇の情報」、米軍の衛星が捉える「軌跡情報」、自衛隊の「下降と着弾情報」を合わせて、ミサイルの発射から着水までの全貌を捕捉できる。
日本と韓国、双方とGSOMIAを締結している米軍は、すべての情報を入手できるが、日韓GSOMIAがなくなれば、自衛隊は地上レーダーの発射情報を入手できず、韓国軍は着水情報を入手できないことになる。
もちろん、GSOMIAは平時の情報共有にも活用されている。韓国軍は国境線に兵を配置して24時間体制で北朝鮮を監視しており、また韓国内の脱北者を通じて情報を入手している。自衛隊は偵察衛星やイージス艦、哨戒機などを投入して、常時、北朝鮮を監視している。
2019年8月22日、韓国政府は同年11月の期限をもって日韓GSOMIAを延長しないと長嶺駐韓大使を通じて日本政府に通告した。
長嶺安政現駐英大使が駐韓大使を務めた期間は16年8月から19年10月までで、GSOMIA締結が最初の大仕事となり、奇しくもGSOMIA破棄の通告が最後の仕事になったが。
韓国が日韓GSOMIAの破棄を日本に通告すると、米国が敏感に反応した。前述の通り、北朝鮮の軍事動向は、日米韓3か国がそれぞれ情報を収集し、共有している。
米軍は日米、米韓、日韓のGSOMIAに基づいて同じ情報を日韓と共有する。しかし、日韓GSOMIAがなくなると、米軍は自衛隊から得た情報を韓国軍と共有できず、韓国軍から得た情報は自衛隊と共有できないことになる。
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