吉村知事、“うがい薬でコロナ退治”の波紋 一番ひっかかる「疑似陰性問題」

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個人的防御と社会的防御の混同

 うがい薬の実験結果に吉村知事が「これはいけるのでは」と喜び大きく期待した。そして間髪を入れずに会見をした。「僕も初めは何億円、何兆円とかを使って世界中が研究しているのにうがい薬程度で、と思っていたのですが」とポビドンに飛びついたことを吐露した。

 感染は口からの飛沫で伝播することが多い。うがい薬効果によって、個人の感染防止というより、社会的にコロナ感染を抑えられるということも主眼だった。しかし「個人のウイルス撲滅」と「社会全体としてのコロナの抑圧」が混同されて受け止められた面もあったようで、そのあたりの説明が不足していたかもしれない。

 4日夕刻、吉村知事がテレビ局の生番組で「買い占めに走らないでください」と言ったら直後にドラッグストアに走り「イソジン」などのうがい薬を買い求める人たちがいた。「走らないで」は逆効果になる。言わない方がよかっただろう。とはいえ、レポーターを走らせて「店の棚が空になっている」などと報じるテレビメディアも買い占めを煽っている。(もっとも店では、買い占めるというほどの量のうがい薬を置いていないかもしれないが)。

 購入者が我が身よりも「社会的に感染拡大が防げる」ということで「買い占め」に走ったのなら立派な人たちである。

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