勝新太郎が求めた“空気を聴き合える相手” 三船敏郎との「すれ違い」
湯浅学「役者の唄」――勝新太郎(7)
勝新太郎は、名優であるとともに名音楽家であった。音楽評論家の湯浅学氏が、不世出の存在ゆえの“孤独”に迫る。
「オレはカメラのメカニックなことはよくわかんないから、シャッター押すのにも、三味線の間でもって押しちゃったりするんだよ。シャッターってのはパッと押そうが、スーッと押そうが、同じって聞いてもね、オレはスーって押しちゃうんだな。自然にそう体が動くわけよ」
原田美枝子を勝新が撮った「写真集 勝VS美枝子」の中で勝新はこのようなことを語っていた。...