「コロナ失業」で生活苦へ一気に転落した人々の告白…忍び寄る詐欺の魔の手
自己都合退職とされ失業保険の受給は3カ月後。退職金もなかった
新型コロナの影響で失業保険の受給者はことし6月で48万人超と、前年同期と比べ約10万人増加している。これまで人手不足が叫ばれていた飲食や小売りなどの業種では給与が落ち込んでいる。こうした中でもほとんどの人は真面目に次の仕事を探したり現在の仕事を続けていたりするのだが、一部には生活苦に耐えかねたところへ詐欺の魔の手が忍び寄ったり、騙されたり……。当事者たちに話を聞いた。
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厚生労働省の雇用保険事業月報・年報によると、失業給付受給者数は2020年6月で48万6千人。前年同月は38万7千人だった。また毎月勤労統計調査では、飲食サービス業の賃金が前年同月と比べ10・6%減少している。
現在、神奈川県川崎市で飲食店3店舗を経営している男性は「何とか4月の緊急事態宣言をアルバイトに辞めてもらうなどして耐えたと思ったら、また感染者が増加して客が減った。次に緊急事態宣言や自粛要請が出たら店舗を閉めるしかない」と話す。都内のビジネスホテルに勤める女性は「会社の売り上げが戻らないらしく、それとなく退職するよう迫られています」と、今後の就業に危機感を抱いている様子だった。
仕事を失えば、通常は次の仕事を探すものだが、求職活動も生活保護の申請も上手く行かず、ふとしたきっかけで犯罪に絡めとられようとしている人たちがいる。30代のAさんは都内の飲食店で調理師として勤めていたが、コロナの影響で店の客足が落ちたことでオーナーから退職を強要された。しかも自己都合退職とされたことで失業保険の受給は3カ月後。退職金もなかった。
貯金がほとんどなかったAさんは、その日から生活に困窮。自宅にある売れそうなものを売ったところで生活の足しになる訳もなく、アルバイトを探そうとしても飲食はどこも休業中で見つからなかった。生活保護の申請をしようと区役所の窓口に行っても、よく分からない理屈を並べられた挙げ句「まだ若いし働けるでしょう」と諭されたという。
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