巨人は野手を投手で起用しちゃダメなのか論争…原監督の燃える闘魂、リアリズム

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原監督は大のプロレスファンなので敢えてアントニオ猪木風の言い回しを…

 一連の出来事を拝見しておりますと、原監督はああ見えて反骨心の塊であり、古い常識なんか糞食らえと思ってらっしゃるのではとも感じておりましたところ、とっても素敵な反論をなさったのです。

「俺たちは勝つために、目標(優勝)のために戦っているんだから。今年は、特にケガ人も多い。コロナ禍のルールというのもある。簡単に『ダメだ』と言うのは本末転倒のような気がする。(逆の立場の)俺だったら言わない。(野手の投手起用は)ジャイアンツの野球ではやってはいけねえんだとか、そんな小さなことじゃないんだよ。俺たちの役割は」

 良いですね~、今まで以上に勇ましさや強さを感じるお言葉痺れました。特に「やってはいけねえんだとか、そんな小さなことじゃないんだよ」この言葉の使い方には、歴史と伝統があるエリート軍団の長という「小さな価値観」に囚われていない、戦う集団の長としての覚悟を感じました。さらに原監督は大のプロレスファンなので敢えてアントニオ猪木風の言い回しを選んだのでは? とも推測してしまいました(猪木さんは「いけねえんです」「~なわけじゃねえんです」とかという言い回しを用いるんです)。

 妄想ついでにもう1つ。原監督の出身地は福岡県大牟田市でありまして福岡出身といえば「世界の荒鷲坂口征二」、その後育ったのが神奈川県、神奈川出身の不出世のヒーローといえば「燃える闘魂アントニオ猪木」…。原監督はプロレス界の黄金コンビの条件を併せ持って、野球界という真剣勝負の世界に命を張って挑んでいる勇者に思えてなりません。

 脱線も脱線してしまいましたが、まだまだ続くペナントレース最終的な王者がどのチームになるかはわかりませんし、丸佳浩選手と坂本勇人選手のスランプも気になりますが、原監督には変わらず古い発想や伝統には縛られず野球界を引っ掻き回して、新しい形の常識を形成してコロナならぬ「原監督以前」と「原監督以降」の野球界を作り上げて欲しいですね。

徳光正行(とくみつ・まさゆき)
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版。現在YouTube「徳光ちゃんねる」でも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月11日掲載

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