韓国、漢字撤廃政策のツケ…過去にこだわる民族が歴史を知らないという皮肉
結婚式の芳名帳をスマホで撮って読み方を教えるサービスも
そうはいっても韓国は1000年以上に渡って中国の影響下にあり、近代化は日本の統治下で進められたことから、日中に由来する漢字語はとても多く、さまざまな分野に及んでいる。哲学、主観、客観、芸術、文学、科学、技術などは、統治時代の日本語で、代替する韓国語はない。
さらに韓国人はほとんどが漢字名だ。
1970年以降に学校で学んだ世代は、自分や家族の漢字名を書くことができない人が少なくないし、もちろん、他人の漢字名を読めない人が多い。
結婚式や正式なレセプションは、芳名帳や祝儀袋など自分の名前を漢字で書く例が一般的だが、漢字を知らない世代は読むことができず、名前で呼びかけることもできない。
芳名帳をスマホで撮ってSNSやメールで送ると読み方を返信するサービスが登場したほどだ。
韓国の学術用語は漢字語が多く、漢字を見れば一目瞭然だが、ハングルは丸暗記するしかない。ハングルは表音文字で、すべてひらがなで表記するみたいなものである。
同音異義語がとても多く、たとえば、全力、電力、前歴、戦力、戦略のハングル表記はすべて同じで、間違いが起こり得る。近年、若者を中心に言葉の乱れが指摘されるが、大学生が「クムイル(今日)」を金曜日(クミョイル)の略語と勘違いした例すらある。
大学生の学力低下が社会問題として浮上し、朴槿恵前政権は漢字教育の復活を決めた。基本漢字300字を道徳・社会・数学・科学など、国語を除く小学5年生と6年生の教科書で併記することにしたのだが、文在寅政権は、この漢字教育の復活を白紙化した。日帝残滓を排除するという名目だが。
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