韓国、慰安婦団体の濡れ手で粟の集金システム…年間2億円の一部は北へ送金
「正義」を謳ってはいても、本音は「お金」だった
慰安婦の支援団体である正義記憶連帯(正義連)。この団体に対し、泣く子も黙る韓国の検察が本格的な捜査に着手してから、すでに3カ月になろうとしている。支援金を横領・詐取した容疑などで告発されたこの団体に司直の手が入る一方で、正義連の方はと言うと、容疑には口をふさぎ、ちゃっかり新団体を作ろうと画策しているという。「検察の調査で苦しんでいる」「フェイク・ニュースを防止するため、メディアに対し、懲罰的損害賠償制度を導入すべきだ」……こんな主張を正義連は展開するのだが、慰安婦支援を掲げた、その汚れた集金システムにメスが入ることを望む国民は少なくないという。
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8月5日、正義連の李娜栄(イ・ナヨン)理事長は、ソウルの旧日本大使館前で開かれた「水曜集会」(現在、集会の開催は警察から禁止されているため、記者会見の形を採っている)に参加。正義連をめぐる各種疑惑について、「運動の過程で気づかなかった部分を省察し、運動の初期精神を拡張し、継承するための努力をしている」と話した。要するに、疑惑に答えることはなく、「運動」の原点に返ると繰り返し強調。理事長はまた、正義連の組織再整備についても予告したのだった。
検察による捜査は大々的に報じられたものの、正義連は自分たちに向けられた全ての批判を全面的に否定している。国民は釈明すらない正義連に愛想を尽かし気味で、今回予告された「組織再整備」に乗り出したのも、事件の真実を何とか覆い隠すための姑息な手段だと指摘されている。
表向きはその名の通り、虐げられたとされる人々の「正義」を謳いはするものの、本音はやはり「お金」にある。
正義連は市民団体であるにもかかわらず、慰安婦支援運動を通じ、莫大な資金を集めてきた。野党・未来統合党の郭尚道(クァク・サンド)議員は、正義連が個人・団体などから後援を受けた金額が、ここ10年余で少なくとも82億ウォン(国庫補助金13億4300万ウォン含む) にのぼると明らかにした。1ウォン=0・089円だから、ざっと7・3億円ということになる。いわゆる道端で受け取る募金はこれに入っていない。
過去30年で50億円を稼ぎ出した
この他にも、2003年から推進した「戦争と女性の人権博物館」建設募金額は少なくとも25億ウォン に達するという。後援金総額はさらに大きいと予想した郭議員は「入手できていない機関誌(400件以上推定)資料まで確認すれば、後援金規模ははるかに増えるだろう」と指摘した。一説には総額50億円に膨れ上がるとも見られている。正義連の旧組織である挺対協は今年で設立30年になるが、コンスタントに年間2億円弱を集金してきたことになる。
韓国統計庁によると、昨年の段階で韓国には1万4000余りの市民団体が存在する。これらのほとんどが、わずか数千万ウォンの予算を組み、事務所を1室借りるのがやっとで、ボランティアを中心に運営されていることを考えると、正義連はもはや市民団体などではなく、財閥なり大手企業級の貫禄がある。
正義連は韓国で慰安婦関連事業の中心で注目を浴びてきた。慰安婦支援、真相究明に向けた調査、奨学金拠出、メモリアル事業、国際連帯計画などを推進中だ。
中核メンバーを構成している、元理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)は親文在寅大統領派の国会議員。ラジカル・フェミニストとして有名な李娜栄理事長は、中央大学社会学科教授を兼ねる。その他、1990年代序盤から挺対協で活動し、5期に亘って国会議員を務めた李美卿(イ・ミギョン)韓国国際協力団理事長。事務総長の韓敬煕(ハン・ギョンヒ)も含め、いずれも女性だ。
組織としては理事会を中心に運営委員会があり、ネットワーク協議会と事務総長を中心に運営支援局、人権連帯処、記憶教育局が運営されている。協力、支援事業として、「戦争と女性の人権博物館」と「平和の我が家」が別途設置された。意地悪な言い方をすればスキのない集金システムが構築されてきたわけだ。
反日・反米との距離、親北勢力との蜜月
2015年、朴槿恵政権下で結ばれた慰安婦合意について正義連は激しい反対の声明を出し、破棄支持の先頭に立つなど、韓国内の反日団体の中心として活動してきたのは間違いない。
反日運動を続けてきただけではなくもう一つ注目に値するのは北朝鮮支援疑惑だ。
尹美香議員の義理の姉は、挺対協の幹部出身で、親北朝鮮団体の対北朝鮮事業会計を引き受け、数百億ウォン規模の北朝鮮支援金の使途を明らかにしていない。
尹美香議員の夫は、水原市民新聞を運営する金三錫(キム・サムソク)だが、彼は1992年のいわゆる「兄妹スパイ団」事件に関与し、国家保安法違反で処罰を受けた前歴のある親北朝鮮の人物だ。
正義連は慰安婦が亡くなるとその香典を受け取ってきた。故・金福童(キム・ボクトン)さんの場合もそうだったのだが、香典の一部を「脱北者の送還(帰国者)推進団体」、「米軍開発の迎撃ミサイル(THAAD)配置の反対を主張する団体」、そして「国家保安法撤廃の先頭に立っている団体」などに配布してきたことが明らかとなった。そういった親北活動を展開しながらも、慰安婦のお婆さんたちにはたったの1ウォンも支給しなかったのである。
7月30日にも、慰安婦のお婆さんたちが住む施設の施設長が、書類の中身が何なのかを彼女らが認識していないにもかかわらず、無理やりサインをさせている動画が表に出て、話題になったばかりである。
正義連側は、「検察の調査で苦しんでいる」「フェイク・ニュースを防止するため、メディアに対し、懲罰的損害賠償制度を導入すべきだ」……こんな主張をずっと展開してきた。自分に甘く、他人には厳しいというのは世の中の常ではある。しかし、自分たちに瑕疵はひとつもないと言っておきながら、組職を刷新するだけでやり過ごそうとするこの団体が、「日本軍慰安婦の真相究明と調査」などできるはずもなく、それを国際社会に主張する権限と権利もあるわけがない。