「親バカ青春白書」もヒットの予感 福田監督のベタでレトロな作風と女優起用の妙
新垣結衣の破壊力
主演のムロツヨシも、誰もが認める才能の持ち主だったが、「クセの強い個性派俳優」という時代も長かった。
「ムロさんの転機は、2018年にTBS系列で放送された『大恋愛~僕を忘れる君と』だったと思います。このドラマで戸田恵梨香さん(31)の相手役を務め、お茶の間での知名度を高めていました。『親バカ青春白書』では、満を持してのプライム主演につながったことになります。また、永野芽郁さんと中川大志さんは、共にNHKの朝ドラで人気を博しました。18年の『半分、青い。』と19年の『なつぞら』です。このキャスティングも非常に計算されており、初回の視聴率が良かった理由に挙げられるでしょう」(同)
最も成功したキャスティングは、ムロツヨシと死別した妻という設定で出演した新垣結衣(31)だという。
「遺影と回想シーンだけの出演です。新垣さんはドラマの出演は1年8か月ぶりになりますから、この大胆な配役はプロデューサーが三顧の礼で迎えたのだと思います。放送をご覧になった方なら、インパクトはお分かりでしょう」(同)
コロナ禍さえ追い風に
勢いを象徴する出来事として、この関係者は「コロナ禍さえも味方に付けています」と指摘する。
「新型コロナによる非常事態宣言が発令され、TBSは『逃げるは恥だが役に立つ』の特別編を5月19日から再放送しました。午後10時からというプライムタイムで、視聴者が新垣さんの魅力を再認識。そんな絶妙のタイミングで『親バカ青春白書』が放送されたわけです。加えて『半沢直樹』(同系列・日・21:00)もコロナでスタートが遅れたため、今田美桜さんをTBSと日本テレビで連続して見られるようになってしまいました」
この“半沢直樹効果”も、「親バカ青春白書」には追い風になる可能性があるという。日曜の夜はTBSから日本テレビという流れが生まれるかもしれないそうだ。
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