「黒木瞳」監督作の下馬評は 過去2作は不発

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 女優の黒木瞳(59)が、映画「十二単衣を着た悪魔」で3度目の監督を務めた。

「現代の若者が突然、源氏物語の世界にタイムスリップし、人間的な成長を遂げるというストーリー。現代と平安時代が織りなす内館牧子の原作に、黒木はかなり惚れ込んだようです」

 とは芸能デスク。黒木は2016年に「嫌な女」で監督デビューを果たし、翌17年にも短編映画「わかれうた」を撮ったが、

「この2作品は興行的に成功とは言えず、とくに『嫌な女』は吉田羊と木村佳乃とのダブル主演ながら、興行収入は僅か7千万円に留まりました。映画評論家たちの評価も“どの場面も淡々と説明的に話が展開していく”という具合に、厳しいものが多かった」(同)

 にもかかわらず、3年ぶりのメガホンが実現した理由とは。製作と配給を担うキノフィルムズの武部由実子常務が言う。

「黒木さんから、かねて具体的な構想とともに強い売り込みを頂いていました」

 手腕には期待大だそうで、

「ハリウッドでも、アンジェリーナ・ジョリーやメグ・ライアンといったベテラン女優が監督業に進出する例は少なくない。黒木さんは女優として30年以上のキャリアを持ち、映画製作も熟知している。演者の気持ちを汲んだ気遣いや演出も大きな魅力ですね」

 過去の実績については、

「それはお客様が判断されることですから」

 そこで映画評論家の北川れい子氏に聞くと、

「日本でもハリウッドでも、女性監督の作品というだけで話題になる一方、作品は厳しい批評を受けがち。本を書いたり新聞にエッセイを連載するなどご活躍中の黒木さんですから、監督業でも才を見せて欲しい」

 公開は11月の予定。

週刊新潮 2020年8月6日号掲載

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