高校野球 甲子園交流試合で絶対見た方がいい「5試合」を厳選、見どころを解説

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因縁の一戦

 2試合目は、昨夏の決勝戦の再現となった対戦カードである。大会第4日目の第1試合、“履正社(大阪)対星稜(石川)”という因縁の一戦だ。

 昨秋の近畿大会で4強に残った履正社のウリは全国トップクラスを誇る強力打線だ。昨秋の公式戦11試合でチーム打率は4割2分5厘をマークしている。

 昨年春夏と甲子園出場を果たした1番・池田凛、一発のある2番・田上奏大、打率5割超を誇る3番・小深田大地、昨秋の公式戦で4本塁打28打点と勝負強さが光る4番・主将の関本勇輔らが中心の打線はかなりの重量感がある。

 自慢の打線で立ち上がりから得点を重ね、安定感のある最速145キロのエース右腕・岩崎峻典や190センチの長身から最速147キロの直球を投げ込む内星龍らの投手陣が余裕を持って投げる展開にしたいところだ。

 一方の星稜は、昨秋の北信越大会で王者に輝いた。こちらも強力な打線を全面に押し立てて、全4試合で58安打を放ち、44得点と相手チームを圧倒してのVであった。打線の中心は4番・内山壮真、その前後を打つ知田爽汰と今井秀輔となる。主将も務める内山は小柄だが、バットコントロールも巧みで長打力もある。知田は広角に打ち分けるのが得意で勝負強く、今井はパンチ力が自慢だ。

 かたや投手陣は、昨夏の甲子園で2試合に登板した経験があるエース右腕の荻原吟哉と同1試合に登板した寺西成騎が中心となる。特に荻原は制球力に秀でていて、スライダーやツーシームなどで相手打者に的を絞らせない。粘り強く投げるタイプなだけに、攻撃陣としては打線の主軸3人の前に走者をためて、是が非でも先制点を狙いたい。

 このカードはどちらが先に点を取って、主導権を握るかにある。序盤の攻防がポイントとなりそうだ。

 逆に継投がポイントとなりそうなのが、3番目に紹介する大会第4日目第3試合の“仙台育英(宮城)対倉敷商(岡山)”の戦いだ。

 昨秋の東北大会と中国大会を制した地区王者同士の一戦で、東北王者の仙台育英は実力のある複数の投手を擁している。最速140キロ超の直球やスライダーが武器のエース左腕・向坂優太郎と2年生左腕の笹倉世凪がその中心となる。

 一方の打線は昨年夏の甲子園大会ベスト8時のメンバーが7人残り、昨秋の公式戦でのチーム打率は3割8分1厘を記録した。東北大会4試合では計35得点を奪っている。

 その出塁率の高さから、今夏から1番を打つ主将の田中祥都に始まる打線は上位下位とも切れ目がないのが特徴だ。中でもパンチ力のある4番の入江大樹と昨秋の公式戦でチームトップの18打点を挙げた笹倉に注目だ。

 対する倉敷商は先発を任される右腕・福家悠太の豊富な変化球に注目したい。なかでも持ち味のチェンジアップが決まるかが焦点となる。打者のタイミングをうまく外す投球で、仙台育英打線に挑みたい。

 この福家のあとには直球とスライダーにキレのある左腕・永野司が控えている。福家から永野への継投のタイミングがより重要となってこよう。

 打撃陣は2番ながら、チームトップの打率4割4分7厘、18打点をマークした主将の原田将多が中心となる。この原田から4番・福島大輝へと続く中軸で先に点を取れるかがカギとなる。

 チームは昨秋の中国大会4試合中2試合の延長戦を制するなど、接戦が得意だ。その勝負強さを生かしたい。

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