金正恩がダマされた…外国スパイ機関が仕掛けたリゾート詐欺でドル金庫は空に
大掛かりな詐欺に遭った金正恩の反応は?
北朝鮮の統治者である自分が、他国の情報機関に翻弄されたという事実に彼の腸は煮えくり返ったことでしょう。当然、彼にリゾート開発を進言した側近らの立場も悪くなりました。
中央検察所は、中央党9局に所属する女性工作員「キム某」を2週間以上に亘って調査したと発表しました。彼女だけでなく、少しでもプロジェクトに関わりがあった者はすべて当局に拘束されたとのことです。
合同調査団は、調査過程で、陽徳温泉リゾートの建設において金正恩の革命資金(と言っても要するに違法行為で作った金庫の米ドル)が適正に使われたかも調査しました。その中で、スキー場などの施設だけでなく、広範囲に亘って水増し価格が適用され、工事が行われていたことが発覚しました。
加えて、建設指揮部の幹部と建設部隊の将校らが巨額の金を着服した事実も明らかになっています。金正恩の革命資金の着服は罪状をさらに重くします。主導した5人は、家族も含めみな政治犯収容所に入れられました。党の革命資金に目をつけ、横領した者たちの運命がどうなるのか、見せしめにしたということです。
2月29日には党政治局会議を開き、李万建(イ・マンゴン)と朴泰善(パク・テソン)の両副委員長らは不正と腐敗の罪名で解任・更迭、崔竜海・最高人民会議常任委員会委員長には厳重警告を与えるなど、今回はかなり大規模な粛清であったといいえます。
調査は現在も進行中ですが、今後どれだけ多くの側近たちが粛清対象になるかはわかりません。ひとつ確かなのは、外貨への執着と貪欲さを放棄しない限り、金正恩は今後も自ら災いを招くことになるということでしょう。
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