今度は自社で「マスク」を製造・販売 北海道の雄「セイコーマート」の独自路線

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 7月20日、北海道のコンビニチェーン「セイコーマート」が、道内でマスク製造に乗り出すことを発表した。コンビニがマスク(しかも純国産)を作るとは前代未聞である。また、同チェーンでは、レジ袋の素材を変えることでの無料化を、今も継続している。独自路線を突き進むセイコーマートとは、どういう店なのか。

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 北海道以外ではめったにお目にかかれないセイコーマートだが、サービス産業生産性協議会がまとめる「日本版顧客満足度指数」のコンビニ部門では、セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンをも蹴散らして、4年連続で1位に輝いている。

 3大コンビニチェーンと、一体何が違うのか、流通アナリストの渡辺広明氏に聞いた。

渡辺:セイコーマートは他のコンビニはやらないチラシの配布も基本的に2週間に一度ほど行っていますし、惣菜や食材などの種類が多い。コンビニというより食品ミニスーパーに近い位置づけです。直営店が多く、道内ではソウル・コンビニといえる存在です。

なぜ、ソウル・コンビニになれたか

渡辺:セイコーマートの場合、日本全体を見ながらというより、北海道民を見ながらビジネスをしていると言っていいと思います。同店にはホットシェフという、店内調理のお弁当などがあるのですが、これも寒い北海道で温かいものを食べてもらいたいという想いからでしょう。そして、北海道は道外と比べると所得がやや低いので、商品の価格を抑える必要があります。全国チェーンのコンビニが北海道に進出しても、デザートなどを東京と同じ値段で販売しても高すぎて売れません。そこでセイコーマートは、牛乳はもちろん缶コーヒーやワインまで、膨大な数のプライベートブランド(PB)の商品がある。通常、PB商品はOEMメーカーに製造委託しますが、セイコーマートは道内を中心に1078店舗(2020年7月31日現在)しかないので、メーカーに投げても1万4000店舗以上の大手コンビと比べて、価格競争力がない。ですから製造会社を買い、それらをグループ会社にして、PB商品を作るという独自手法を取っています。さらにPBの競争力を付けるために、北海道ブランドをうまく利用してドラッグストアに卸したりもしているんです。そうなれば、セイコーマート自体の店舗はそれほど多くなくても、商品を回していけるわけです。ただし、店舗のほうはあくまでも地域密着型を貫いているので、ソウル・コンビニになれたのだと思います。

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