北朝鮮が「金正恩の側室」として「40代の歌手」を認定…その素顔とは?

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「1号宅」は、いかなる権力を持つのか?

 ただし、「1号宅」の呼び名は対外的に使用されることはありません。側近や幹部、そして国民に彼女の役割を印象付け、権威を示すために使われるようになった呼称とのことです。

 本来、朝鮮では「宅」という言葉は、その家の夫人を指す意味で使われてきました。日本の「奥方」と似たような言い方ともいえます。

 金正恩の父親の金正日は、正室の金英淑(キム・ヨンスク)がいるにもかかわらず、美貌の映画女優である成ヘ琳(ソン・ヘリム)を見初めました。

 そして、対外的に彼女の存在を知られないようにするため、「5号宅」と呼ばせていました。第5夫人という意味ではなく、彼が5という数字を好んでいることに起因しています。喜び組は中央党5課、そして不倫相手の女性にも「5号宅」という呼称をつけたのでした。

 ところで、5号宅になった当時の成ヘ琳には夫がいました。その上、成ヘ琳は金正日よりも6歳年上でしたが、実年齢よりも幼く見える童顔。可愛らしい女優でした。人妻とはいえ、最高権力者・金日成の息子の求愛を断るわけにはいきません。

 夫と別れた彼女は1969年、中城(チュンソン)洞15号官邸に入り、金正日の妻となったのでした。

 そのようなこともあり、金正恩は玄松月を自分の女だからぞんざいに扱わず、礼を尽くして接し敬えと宣布しました。玄松月に「自分の女」という立場を与えたのでした。

 李雪主は家庭内で金正恩を補佐するのに対し、玄松月は執務室で金正恩をサポートする存在で、役割分担ができています。金正恩が仕事の悩みなど腹を割って話し、助言を求める相手が彼女だともいえます。

「1号宅」になったということは、もう北朝鮮の誰も、あの金与正でさえも、むやみに楯突くことができず、李雪主が敢えて喧嘩を売ろうものなら返り討ちに遭う結果になるでしょう。つまり、玄松月は金正恩の最側近であり、存在そのものが権力を持つキーパーソンだといえるのです。

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