コロナ禍で売上激減「クリーニング業界」の惨状 悪徳業者は淘汰される可能性

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売上7割減の悲鳴も

 新型コロナウイルスによって売上が大幅に減少した業界は、観光・宿泊と外食産業が筆頭だろう。だが、クリーニング業界も深刻な状況に陥っていることをご存知だろうか。

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 最初に動いたのが、業界最大手の白洋舍だった。4月22日に「業績予想の修正に関するお知らせ」とのプレスリリースを発表。2月に発表した業績予想を撤回し、当面の間は「業績予想を未定とする」とした。

 白洋舍は理由として、【1】ホテル稼働率の大幅な低下により、リネンサプライ部門で売上高が減少、【2】4月7日に緊急事態宣言が発出されたため、大半の店舗を臨時休業とした――この2点を挙げた。

 業界紙の「ZENDRA」は5月1日、「125人の経営者・従業員に聞く 新型コロナウイルス感染拡大に伴う経営の影響は?」との記事を掲載した。

 同社は4月10日から24日までの間、アンケート調査を行い、その結果を紙面で報じたのだ。「Q1」と「Q2」の結果から、回答の上位2つを引用させていただく。

Q1:あなたの店舗(会社)において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う売上への影響はどの程度ありますか?

【1】20%減(34・7%)
【2】30%減(30・6%)

Q2:売上が減少した要因は何だと思いますか?(原註:複数回答可)

【1】コロナ禍によりクリーニング支出への消費者の意欲の低下(76・7%)
【2】在宅勤務の増加によるスーツ、ワイシャツなどのビジネスウェアの点数減少(71・7%)

手痛い冬物の落ち込み

 3割減どころではない、と報じたのは、同じく業界紙の日本クリーニング新聞だ。5月5日・5月15日合併号に「4月の商況 業界5割減の声続出 5月の施策『浮かばず』 業界の最盛期 2カ月連続で昨対割れ」の記事を掲載した。

 文中に登場する《関西の大手業者》は、「4月に入って売上が約半分になった」と明かし、《昨対で1億円ダウンという現状に恐ろしさを実感》したという。

《4月前半の時点で昨対4割減の状況に「7割減も覚悟した」》と振り返った《都内の中堅業者》は、最終的には5割減に落ち着いたというが、厳しい状況が伝わってくる。

 一体、クリーニング業界に何が起きているのだろうか。福島県内でクリーニング業を展開しながら、NPO法人「クリーニング・カスタマーズサポート」を運営、労働環境の改善にも取り組んでいる鈴木和幸氏に訊いた。

「私のところにも、同業他社が店舗を閉じたり、工場を閉鎖したり、という知らせが入っています。理由として、4、5、6月の3か月は、非常に重要な時期ということが挙げられます。お客さまが一斉にコートなどの冬物を持ってこられるわけです。この3か月の売上が、残り9か月の売上に匹敵するクリーニング業者もいます」

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