菅官房長官がコロナ対応で「東京攻撃」する理由 小池批判を踏み台に「ポスト安倍」へ
「東京都の失政を探せ」と命令
かような数字のマジックまで用いて「東京攻撃」を続けるのは何故なのか。さまざまな思惑が絡んだその背景に分け入っていくと、菅官房長官の「本当の姿」が見えてくる――。
「菅さんは官邸幹部らに対して『東京都の失政を探せ』と命じています」
全国紙の政治部デスクはそう話す。
「元々小池さんと東京都が嫌いだからというのもありますが、小池さんを潰すことによって自分の存在を誇示できる、との考えもあるようです。さらに、今は政府に向けられている国民の批判の矛先を東京に持っていこう、という狙いもあるでしょう」
無論、その念頭には不首尾に終わりそうな「Go Toキャンペーン」がある。
「『Go Toキャンペーン』の失敗は自分の政治的影響力の低下に繋がる。東京で感染が拡大していることを繰り返し槍玉にあげているのは、『キャンペーンが失敗に終わったのは、東京が大変なことになっているから』と人々に思わせるためでしょう。そうして自分を守り、小池批判を踏み台にして存在価値を高めようとしているわけです」(同)
「ポスト安倍」を視野に
少し前までは安倍総理との隙間風ばかりが報じられ、コロナ対策でも影の薄さが否めなかった菅官房長官。ここへきて急速に発言力が増しているのは、
「『10月解散・総選挙』の可能性を見越してのことでしょう」
と、政治部記者。
「菅さんとしては、東京都のコロナ対策が全くダメであることを徹底的にアピールして東京への責任転嫁を果たし、『危機管理はやっぱり菅じゃないとダメだ』という印象を強めたい、との思いがある。その上で新型コロナウイルス対策の特別措置法の早期の改正を大義名分とする総選挙を安倍総理に具申し、自民党を大勝に導けば『ポスト安倍』が見えてきます」
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