韓国、最愛のドイツが“G7参加”に反対…こだわる文在寅への冷めた視線

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「ドイツを見習え」という韓国の常套句の意味

 事あるごとに日本に謝罪と賠償を要求する韓国の常套句に、「ドイツを見習え」というのがある。ナチスの蛮行を謝罪したドイツを見習って、日本も韓国に謝罪せよという意味で使われている。そんなドイツは日本に続き、韓国の「先進国首脳会議(G7)参加」に反対を表明した。米トランプ大統領は5月、米国が議長国となる今年のG7にロシア、オーストラリア、インド、韓国を招待し、G7をG11やG12に拡大したいと話していた。文在寅大統領は6月1日に米トランプ大統領と行った電話会談で嬉々として招待に応じ、韓国が世界秩序を導くリーダーの一員になる淡い期待を抱いたのだが……。

 ドイツは韓国人の間で人気が高い。就職難が続き多くの若者が海外就職を目指す今、ドイツは、日本、米国、シンガポールなど近隣や英語圏に続いて人気が高い国である。欧州に限れば「ドイツが唯一」といって良いほどだ。また、20代の韓国人を対象に行った「生まれ変わったときに住みたい国」のアンケートでもドイツと答えた人が1番多いほど、ドイツ愛はとても強い。

 一方、韓国人に愛されるドイツの方ではどう思っているのだろうか。英BBCが不定期に行っている国家イメージ調査がある。2013年の調査で韓国を嫌っている人はドイツが一番多かった。ドイツは65%が韓国に否定的で、2位フランスの47%を大きく上回った。絵に描いたような片思いだ。

 2013年は李明博元大統領の竹島上陸に続く朴槿恵前大統領の告げ口外交がはじまった年で、日本の嫌韓も28%に上ったが、ドイツの嫌韓は、その日本よりはるかに多かった。2017年にはドイツの嫌韓は32%に下がったが、韓国を好きと答えた人は11%で、調査を行った国のなかで一番低かった。

ドイツの謝罪はナチスが“ドイツ”の名で行った行為に対するもの

「ドイツを見習え」は朝日新聞が行ったキャンペーンで、韓国は朝日新聞の慰安婦キャンペーンとセットで便乗した。朝日新聞が吉田証言を虚偽と認定して慰安婦問題も提起を撤回し、ドイツを見習えという論調をやめた後も、韓国は一つ覚えで続けている。

 1946年、第2次世界大戦の戦勝国がニュルンベルク裁判でドイツを裁いた。東京裁判と同様、戦勝国が敗戦国を裁いた軍事裁判で、戦勝国が戦犯と考える敗戦国の被告に判決が下されている。西ドイツはその後も、60年代からニュルンベルク裁判で処罰を逃れた旧ナチス党員の裁判を開始して有罪判決を下していった。

 韓国は「ドイツを見習え」といって日本に謝罪と賠償を請求するが、ドイツの謝罪はナチスが“ドイツ”の名で行った行為に対するもので、補償対象も国内のナチス被害者に限っている。現在のドイツはナチス後に成立した別な国だという考えで、ドイツはポーランドやチェコなど周辺国の賠償要求には応じていない。

 2019年、ポーランドは第二次世界大戦時に受けた被害に対するドイツへの賠償要求を再開。ポーランドは旧ソ連の影響下にあった1953年、ソ連と東ドイツの賠償免除協定で、東ドイツに対する賠償請求権を放棄させられている。

 西ドイツは1970年にポーランドと国交正常化条約を結び、借款提供などの経済支援を行った。さらにドイツ企業6500社が、財団を通じてナチスによって強制的に動員されたポーランド人48万人余りに補償金を支払った。

 ポーランドでは先の大戦においてユダヤ人300万人を含む600万人が亡くなるなど、この国はナチスによる最大の被害国である。しかし、ドイツ政府による賠償は行われていない。ちなみに同じく19年、ギリシャ議会もまた、第二次大戦中にナチス・ドイツから受けた損害賠償をドイツ政府に要求することを可決している。

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