BLACKPINKのファッションが世界を席巻…「着物のパクり」論争も沸騰中

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韓国内でも「着物と韓服の中間形態、決して韓服ではない」と批判の声

 ダンハさんは、「さまざまな博物館や展示会を回りながら見つけた韓国伝統の宮中ポジャギ(風呂敷)の模様から、BLACKPINKの衣装の着想を得た」と説明。着物に入る蝶、桜模様、竹、松の木などの伝統文様ではなく、朝鮮王室で使われた風呂敷の幾何学的なパターンに着目したデザインを韓服に結びつけたというわけだ。

 彼女は「海外の人々は普通、東洋風の衣装と言うと日本の着物をまず思い浮かべるが、今回BLACKPINKが韓服を着てから、その印象は変わったのではないか」とした上で、「韓服だと日常では着にくいだろうという先入観があるが、これに対する認識も変わるきっかけになればいい」と話している。

 伝統衣装の破壊者とも言えるダンハさんは、一方で、高校の時から韓服の制服を身につつけていたから、韓服には格別な愛着がある。さらに、2016年2月末から宮中服飾研究院で韓服の歴史を学び、2018年から成均館大学で衣装学の修士・博士課程へ進んだ。2年前に高校時代の友人と資本300万ウォンを手に「韓服スタートアップ」を立ち上げたのが、BLACKPINKの衣装を製作するきっかけとなった。

 もちろん韓国内でも、「伝統韓服でいたずらをした」「韓服に似て非なるへそ出しTシャツ」「韓服を現代的に再解釈したとしても、伝統は崩してはならない」「着物と韓服の中間形態、決して韓服ではない」という批判の声は収まらない。

張惠媛(チャン・ヒェウォン)
建国大学広報大学院でジャーナリズムの修士号を取得、漢陽大学政治外交学科大学院で国際政治を専攻。 現在フリー記者として活動中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月2日掲載

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