京都ALS嘱託殺人が過去の事件と“まるで別物”と批判される理由

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不可思議な犯行形態

 大久保容疑者は弘前大学医学部を卒業後、厚労省に入局、技官として7年ほど働いていたが退官して宮城県の精神病院などに勤務し、名取市で開業していた。学生時代からの友人という山本容疑者は米国で大学の医学部を卒業したとして医師国家試験を受け合格したが、捜査当局はこの受験資格に不明な点があるとみている。

 ブログなどから手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』に登場する、安楽死を正当化する医師ドクター・キリコに学生時代から憧れていたとみられる大久保容疑者は、山本容疑者とともに電子書籍『扱いに困った高齢者を「枯らす」技術:誰も教えなかった、病院での枯らし方』を出しているとみられる。タイトルからして差別的な「優性思想」も垣間見える。

 それにしても犯罪だと認識し証拠隠しをした形跡がある一方で二人はなぜ、すぐにばれるような経緯で犯行を実行したのか不思議だ。ヘルパーに会わずに訪れる方法の模索や、防犯カメラの有無の確認などもしていたのだろうか。また林さんも完全に二人を信頼していたわけではなさそうだ。証拠が残るように金銭授受のやりとりなどを友人に送信している。

 父親の和男さん(79)は報道陣の取材に応じ、娘については「今回のような形で亡くなったのは娘の本心だと思う。娘の気持ちも理解できる複雑な気持ち」などと話したが、医師二人については「法律を犯しているので捕まって当然。金品をやり取りして殺害するなんて」などと強い怒りを見せた。

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