相模原市長の「暴力団密接交際者」献金問題 “問題ない”から一転、返金へ

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一応、問題ない

 6月20日付の西日本新聞は、A氏を50代男性と表現し、こう報じている。〈指定暴力団道仁会幹部と密接交際〉〈男性は「(幹部とは)知人から紹介されて知り合った」と話し、2015~19年に複数回、中元や歳暮を贈っていたという〉

 かような人物が、相模原市長に献金しているわけだ。

 もっと言えば、3社のうち1社の名前と、会社と同じ住所の個人名でも献金がある。これらを併せれば、平成30年分は11万円上乗せされる。平成29年と28年分も、A氏を含めた献金があり、この3年分の合計は650万円超にもなるのだ。A氏に事情を聞いた。

「私が密接交際者だなんてとんでもない。証拠もないのに警察が想像で言っているだけ。異議を申し立てようと思っていますから。私が関係のあった、市長の伯父の本村和喜さん(元自民党参院議員)から“賢太郎頼むね”と言われたから応援してきただけ。久留米はね、昔はヤクザだらけだったんです。警察ともずぶずぶだったんですから。だから、ヤクザには後輩もいれば同級生もいますよ」

 現在、福岡県警は北九州の工藤会の次なる標的を、久留米市が本部の道仁会に定めているという。公職にある者がそうした状況に無頓着であっていいはずもないが、当の本村市長にA氏との関係を訊ねると、

「伯父が参院議員だったんですけど、私がその秘書をしていた時代から30年来の付き合いです」

 A氏が道仁会と密接な関係と指摘されている点は全然知らなかったそうで、6月の新聞報道で承知したという。ならば、献金は?

「(返済するか)ちょっとまだ、検討中。こっちは正式に政治資金として扱っているので一応、問題ないとは思っています」

 とまでおっしゃる。なのに、後日、本村市長の代理人弁護士から、文書でこんな妙な回答が届いた。

〈あたかもA氏が暴力団の密接交際者であることを本村が把握していたかのような記事を掲載することはお控えください〉

 曰く、取材まで事実を把握していなかったそうだ。その後、「週刊新潮」に記事が掲載されると、市長は全額返金する意向を明かした。ちなみに、本村市長は今年1月、メディアの年頭インタビューで“開かれた市政”を強調していた。

週刊新潮 2020年7月30日号掲載

ワイド特集「突然炎のごとく」より

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