コスパのいい「勲章」制度 人は“ただのメダル”になぜ取り憑かれるのか(古市憲寿)

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 古今東西、人を惹きつけてやまないものに名誉がある。権力者の巨大モニュメントからオリンピックのメダル、文学賞まで、この世界には名誉のシンボルがあふれている。

 弘兼憲史さんの漫画『会長 島耕作』でこんなシーンがあった。島耕作が「経済連(モデルは経団連)の会長になると何かいいことがあるのでしょうか」と財界の重鎮に聞く。その答えとは「名誉」。具体的に言えば勲章の種類が変わるのだという。

 桐花大綬章は総理大臣、衆参両院議長、最高裁長官という三権の長に与えられるのが基本。...

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