堂本剛が自宅からのラジオ番組で泣く2カ月…世界が痛むと、堂本剛の心も痛む
「みんなほんとに一生懸命戦ってんのに頑張ってんのにすいません」
そんな堂本剛が、泣いている。
最初に涙を流したのは、まだ緊急事態宣言下にあった5月16日の放送だ。リスナーからのメールを読んでいた剛。
看護師のリスナーからのメールには、コロナ禍、病院で働く大変な状況が描写されており、最後に「もう一度人生をやり直せるなら剛くんはどんな職業につきたいですか? 私はこんな状況ですが、やはり看護師として働きたいと思います」という質問と決意が綴られていた。
その後も、コンビニでバイトしながらコロナに怯える高校生のメール、翌週23日は、母親がスーパーでパートを頑張ってくれているが、私は怖くて外に出られない、という17歳からのメールを読み、声を震わせていた。
つまり、堂本剛の涙は、自分と繋がる人たちの痛みを感じて誘発される。
他人の痛みを自分のことのように感じて、泣いているのである。
それはきっと剛の豊かな想像力がゆえの優しい涙であり、23日の放送の冒頭で「みんなほんとに一生懸命戦ってんのに頑張ってんのにすいません」と謝ったように、状況が状況ゆえに、最前線で自分が何かわかりやすい行動ができないことへの不甲斐なさの涙でもあるのかもしれない。
震災の起きた2011年にもこんなことを語っている。
「これだけたくさんの方々が傷ついているんだって知ったときに……何かしてあげたいと想ったんです」(『音楽と人』2011年10月号)
痛む世界に何かをしなければならないと感じる。それは彼が芸能人だから抱く特殊な責任感ではなく、世界を自分ごとのように感じる人であるから発生する、優しい苦悩の仕方なのではないかと思う。
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