「慰安婦少女の前に跪き謝罪する安倍首相」像…私費で建設した本人が取材に語る
慰安婦被害者イ・ヨンスさんの変節の理由とは
他方、5月7日に緊急記者会見を開いた慰安婦被害者・李さん。彼女は「正義連に騙された」とし、学生達に憎悪を教えている反日デモ「水曜集会」を今後は支持しない、国民からの義捐金を慰安婦のおばあさんたちに使わず、正義連自ら流用していると暴露。そして、正義連の活動をリードしてきた尹美香(ユン・ミヒャン元挺対協代表、現・共に民主党国会議員)について、「私欲のために国会議員をしてはならない」と主張したのだった。
1990年代初めから約30年間に亘って、慰安婦被害者救済活動を繰り広げてきた李さんの発言は、国民の一代関心事となり、市民団体による正義連に対する告発を引き出した。
正義連は現在、検察の捜査を受けている。 疑惑が浮上すると尹美香議員は「おばあさんの記憶が変わり、敏感な問題に触れた」と直ちに反論し、李さんがこれに反論して攻防を続けた。尹美香は「水曜集会」を指導し、海外に「慰安婦少女像」の建設を推進してきた代表的な人物だ。
そんな李さんが変節したのは、7月5日のことだった。大邱(テグ)南区を訪れ、正義連の現理事長など、元慰安婦救済運動団体の活動家らと面会。「日本の中心に少女像を立てて行き来する人たちみんなが見られるようにしてほしい。少女像を必ず守ってほしい」と明かしている。
李さんは「水曜集会」に対しても、「水曜デモを支持するが、方式に変化がなければならない。被害者の生存の有無にかかわらず、団体がある地域に行って水曜デモをしよう」と、主張を180度変えた。
また、元従軍慰安婦の被害を含めた歴史教育についても言及。曰く、「地域別の慰安婦の歴史教育館の活性化と建設、連携、交流をしなければならない」――。
イさんが直接疑惑を提起して攻撃してきた尹美香議員と同僚に会って、「水曜デモ」と「少女像建設」を支持する発言をした理由はまだ判然としていない。
次ページ:一国の現職首相を揶揄する像が果たして芸術なのだろうか
[3/4ページ]