文政権GDPショック…支持者にゴマすり最賃アップも解雇増、財閥は海外逃避
韓国の財界はことあるごとに日韓スワップを口にするが
ピーク時には3200社近かった韓国政府に登録している在韓日系企業は、今年7月、2800社まで減少した。韓国に進出している日系企業の多くはサムスンや現代、LGなど韓国のグローバル企業に素材や部品を納入している。そのサムスンや現代が生産拠点を海外にシフトし、納入先が韓国から他の国に移転した後、韓国にとどまる理由はない。
前述の通り、韓国企業も海外に脱出している。文在寅政権が最低賃金を大幅に増額した2018年、仁川のスマートフォン部品メーカーは、サムスンの工場が移転したベトナムに現地法人を設立して、仁川の工場を売却した。サムスンとは関係ない釜山の靴メーカーも韓国工場を閉鎖して従業員160人を解雇し、生産拠点をベトナムに移した。
韓国にとどまる人々は借金で食いつないでいる。今年1月から3月期の韓国の非金融企業の負債はGDP費104・6%で、香港の230・7%や中国の159・1%と比べると低いが、上昇幅が大きく、19年第4四半期より7・4ポイント増加した。
また、家計負債はGDPの97・9%に達している。2位英国の84・4%を大幅に上回るダントツの1位だ。ちなみに日本は57・2%である。
韓国の19年の1人当たり国民総所得GNIは前年比4・3%減の3万2115ドルで、先進国入りの基準とされる3万ドルを割り込む可能性が浮上している。
韓国がアジア通貨危機に見舞われた1997~98年、韓国を救ったのは米国、日本、中国と欧州だった。韓国の財界はことあるごとに日韓スワップを口にするが、日本政府は韓国とスワップを締結する考えはまったくなく、米国や中国、欧州は自国の回復が優先だ。
今年5月、米国のトランプ大統領は先進国首脳会議(G7)の拡大を提唱。韓国、ロシア、インド、オーストラリアを次の会議に招待したい考えを表明した。日本政府は、「G7は現在の枠を維持することが重要だ」として反対。韓国政府は韓国のG7参加を阻む日本政府を批判するが、トランプ大統領が韓国を招待した直後に韓国が先進国入りレースから脱落したら、トランプ大統領の面目は丸つぶれになる。
文政権は気づいていない
韓国のG7出席に反対しているのは日本だけだとして、韓国政府は議長国である米国大統領の招聘に期待するものの、欧州のG7メンバーがロシアの参加に難色を示しており、米大統領が韓国を含めた4か国を招待する可能性は大きくない。
日韓関係が好転の兆しを見せた2016年、安倍首相は朴槿恵前大統領を伊勢志摩サミットに招聘したが、朴大統領は日程の都合を理由に断った。韓国がG7にゲスト参加できるかどうか。その鍵を握っているのは、G7の中で最も利害関係が濃厚な日本である。そのことに文政権は気づいていないようだ。
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