文政権GDPショック…支持者にゴマすり最賃アップも解雇増、財閥は海外逃避
ピーク時3200社の在韓日系企業は、2800社まで減少
他方、韓国はGDPの40%以上を輸出に頼っている。人口14億人の内需を引き合いに、人口5000万人の内需を比べること自体、無理な話だ。
大統領と副首相が楽観視する根拠は、OECDが6月10日に発表したGDPの予測にある。OECDは今年の世界のGDPはマイナス6・0%で、韓国はマイナス1・2%だと予測した。新型コロナウイルスの抑制に成功して、年末には落ち着くという前提に基づくもので、第2波に襲われたらマイナスはさらに拡大することになる。
OECD加盟国の大半は経済規模が大きい先進国で、規模が大きい分だけ回復に時間がかかる。新興途上国は経済危機に脆弱な反面、反騰の勢いは強い。韓国は先進国クラブのOECDに入っているが、経済構造の脆弱性は途上国に近く、経済規模が大きい先進国との単純比較はできない。
政権の願望をたとえるなら、世界的に和食がブームだから隣国のキムチも売れるだろうと言っているようなものだ。
韓国経済の落ち込みは一時的なものではない。文在寅政権は発足以来、最低賃金の増額や就業時間の短縮など、支持層におもねる政策を打ち出してきた。しかし、最低賃金が大幅に上がると、企業はAI化を進めて従業員を雇い止めにした。さらに就業時間の上限を義務付ける52時間の導入で、企業の海外逃避が加速した。
日本の製品は高品質だが高コスト、中国や東南アジアは、品質は低いがコストが低い。韓国は日本より品質は低いが中国や東南アジアより高く、中品質、中コストが売りだった。それが文在寅政権の政策で、中品質のまま高コストになったのだ。
サムスンと現代で韓国GDPの50%を占めた時代があったが、いまは20%台になっている。2社が生産拠点を海外にシフトしたからだ。
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