「なりたい職業」からユーチューバーが外れた理由

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 小学生の将来の夢はユーチューバー。これが常識となったのは、学研教育総合研究所が毎年発表している「小学生白書」による。小1から小6までを調査したところ、2017年、男子の人気職種として2位に「ネット配信者」が初登場。18年も2位を維持し、昨年はついに1位となったのだ。

 ところが、化学メーカーのクラレが今月7日に発表した〈小学6年生の「将来就きたい職業」〉アンケートによれば、首位は男子がスポーツ選手で、女子が保育士。ベスト10にユーチューバーは見当たらず、アレレと首を傾げてしまう。

 先の学研の調査は、420万人にのぼるモニター母集団から、小学校6学年の男女各100人、計1200人が回答を寄せたもの。裾野が広いのが特徴だ。

 対してクラレの調査はというと、有効回答数は男女計1021名。学研と数字的に差はないが、じつは母集団の性質が違った。

「当社はアフガニスタンにランドセルを寄付する活動を行っており、これに協力された約8千のご家庭にアンケートを依頼し、回答を頂戴しています」

 なんと社会貢献活動に積極的に参加している家庭がモニター対象だったのだ。

 クラレ調査でユーチューバーは15位にも入っていない。男子では医師(2位)、女子では看護師(2位)、薬剤師(5位)などが目立つ。これらはコロナ禍を受け、人の役に立てる、活躍できる仕事として昨年より順位を上げたのだ。意識の高いご家庭、いや頼もしいこと。

週刊新潮 2020年7月23日号掲載

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