コロナ感染報道のカゲで…金与正、女帝へのカウントダウン、建国以来の人事敢行

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金正恩から金与正に権力が譲渡されたから

 金正恩以外でこれほどの大胆人事が行えるのは、金与正・朝鮮労働党第1副部長しか考えられません。北朝鮮で金正恩に次ぐナンバー2です。

 最近では、政策決定や人事までを含めた中央党の決済ラインが金与正に集中しています。数カ月前に金正恩が行った人事を覆し、自身の側近を配置させたのは、金正恩を超えて北朝鮮の実質的なトップに立っている証拠です。

 彼女がなぜ、これほどまで思い通りの権力を行使できるのでしょうか。

 可能性はただひとつです。一時的であることの可能性は低く恐らく恒久的に、金正恩から金与正に権力が譲渡されたからです。

 金正恩に深刻な健康不安がなく、健康回復が予測でき、その期間だけ治療を行うために表舞台から姿を消しているのならば、金与正がこれほどまで大規模な入れ替え人事を行うことはできません。

 裏返せば、金正恩の健康は短期間で回復するのは難しいほど深刻だということです。ここ最近の北朝鮮のおかしな人事変更、統治形態を注視すれば、おのずと秘中の秘が明らかになるでしょう。

金興光(キム・フンガン) 北朝鮮の平壌金策工業総合大学電子工学卒業後、咸興共産大学で博士号を取得。2003年に韓国へ脱北し、2006年には韓国政府内の統一部北朝鮮離脱住民後援会課長を経て現在、(社)NK知識人連帯の代表を務めながら韓国内で対北専門家としてTV、新聞、YouTubeなどで活躍中。 http://www.youtube.com/c/NKtv3

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月26日掲載

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