「NiziU」が「BLACKPINK」を超えるために必要なこと
多彩なルーツを持つメンバー構成
BLACKPINKは、2016年8月8日にデビュー。本格的にKポップ・ガールズグループとして注目を集めるようになったのは、北米大陸で人気になってからだ。現在、米アルバムチャートの「ビルボード200」とシングルチャートの「ホット100」へ同時にランキングしたKポップスターは、BTSとBLACKPINKしかいない。
BLACKPINKは2018・19年に、「DDU-DU DDU-DU 」と「KILL THIS LOVE」で、それぞれ「ホット100」に名を連ねた。 新曲「How You Like That」は7日、「ホット100」で33位に入り、単独シングル最高記録を塗り替えた。と同時に、権威ある英国のシングルチャートでも20位につけ、韓国ガールズグループとして最高記録を塗り替えた。
この4人が英米市場で大きな注目を浴びた理由は何だろうか。
所属するYGはBLACKPINKをグローバルに展開するため、メンバー構成を多彩なルーツを持つ、エリアに偏りないものとした。東南アジア市場を攻略した純粋なタイ人のリサと、オーストラリア、ニュージーランドと関係の深いロゼとジェニー、そしてアジア的でありながら西欧的な美貌でファンの心を一瞬で捕らえたジス。
実際、5年間ニュージーランドに留学したことのあるジェニーとオーストラリア出身のロジェは、現地人に劣らない英語力を披露。4ヵ国語を話すことで知られるリサは、優れたラップやダンス、人形のような外見で、東南アジア圏のファンを魅了した。メンバーらのしっかりした外国語の実力に基づき、韓国バージョンの歌の相当部分に英語の歌詞を入れ、外国人でも簡単に歌えるようにしている。
加えて、YG所属の在米韓国人ラッパー兼プロデューサーのテディ(本名パク·ホンジュン)がBLACKPINKのコンセプトと全体的なプロデュースを担当したことも大きかった。メンバーはジェニー(6年)、ジス(5年)、リサ(5年)、ロゼ(4年)と、数年に亘って練習生として基本から鍛えられたのだ。
アジアを抑えた後にメンバーチェンジも…
テディは、YGアイドルスターのヒット曲の大半を手掛けたチーフ・プロデューサーで、2NE1やBIGBANGは共に、テディ・チルドレン。「ヒップホップ」や「R&B」を韓国式アイドルの音楽に融合させるスタイルを追求してきた。
今回のBLACKPINKの新曲や「Kick It」、「DDU-DU DDU-DU」「Forever Young」はテディの手になるもの。 強力なビートのパワフルな振り付けは、米国のガールズグループ「Destiny's Child」「The Pussycat Dolls」を彷彿とさせる。
これと共に「シャネル」「バーバリー」「プラダ」「セリーヌ」など、ヨーロッパを代表するブランドがアイコンとして指定するメンバーの優れたルックスとセンスも成功の大きな要因だ。SNSなどを通じて伝えられるメンバーの個性あふれる日常は、ファンの心を鷲掴みし続けている。
他方、NiziUは、メンバーのマコ、リオ、マヤ、リク、アヤカ、マユカ、リマ、ミイヒ、ニナ(米国複数国籍)など全員が日本人だ。 JYP所属であることから、一部では日本版「TWICE」と呼ばれている。メンバー数もTWICEと同じ9人で、プロデュースの全てをパク·ジニョン代表が担当した。
グローバル市場への進出を狙ったBLACKPINKとは違って、NiziUは日本を中心に韓国へ進出することを念頭に置いてデビューしたのだ。
ただ、マコ、リマ、ミイヒはJYPの練習生として数年間、鍛錬を積んだが、残りのメンバーらの活動歴は1年に満たないという部分も、BLACKPINKとは違う点だ。NiziUにとっての強みは、オーディション番組を経てしっかりしたファン層を構築したこと。デビュー当初から人気を博しているのは相当なメリットだ。
日本、韓国、中国などアジア市場では注目度が高いNiziU。芸能関係者によると、
「アジアをまずは抑えるというのは、ひとつのやり方としてアリだと思いました。ファッションひとつとっても、服を買ってくれるのはアジアの人たち。アジアでトップを取ったら、世界を目指すに当たって、BLACKPINKのようにグローバルに対応したメンバー構成にシフトするのかもしれないですね」
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