「長瀬智也」退所、29年のジャニーズ歴で振り返る「音楽への愛」
アイドル史として見ても快挙の長寿グループ
TOKIO・長瀬智也の退所が発表された。ここ1年だけ見ても、錦戸亮(関ジャニ∞)、中居正広、手越祐也(NEWS)と、退所が続くジャニーズ事務所。SMAPの解散から約3年の時を経て退所した中居はもちろん、関ジャニ∞、NEWSといったデビュー15周年前後のグループからの脱退と、昨年で25周年を迎えたTOKIOからの脱退とは、全く意味の異なるものである。ジャニーズ評論の第一人者、霜田明寛氏が綴る。
ジャニーズの中でも、もはや、年長のグループにあたるTOKIO。現存するジャニーズのグループの中では少年隊に次ぐ長い活動期間である。そもそもジャニーズのグループの活動期間の長さは、“光GENJIまで”と“SMAP以降”で大きく年数がわかれる。
1995年に解散した光GENJIまでは、グループの継続期間は数年。
しかし、1995年を最後に、2016年にSMAPが解散するまでの約20年の間、ジャニーズのグループの解散はなかった。
1991年にデビューしたSMAPに続くように、1994年にデビューしたTOKIO、1995年のV6、1997年のKinKi Kidsと、グループの寿命は長期化。それどころかこの3グループは、山口達也の不祥事による脱退を除いては、メンバーが一人も欠けることがない、という状況が続いていた。
これはジャニーズとしてだけではなく、アイドル史として見ても快挙である。SMAP以降、ジャニーズのタレントたちがバラエティ番組にも活躍の場を広げたことも大きいが、これは、彼らの人気が年を経ても衰えず、十分、現役アイドル足りうることの裏返しとも言えるだろう。
しかし、活動期間が長くなれば、それぞれが人生において目指すものがズレてくるというリスクもはらむことになる。2000年代にデビューしたNEWS、KAT-TUN、関ジャニ∞といったグループからはそれぞれ9人→3人、6人→3人、8人→5人と減少し、デビュー後の脱退者が多い(※NEWSと関ジャニ∞はメンバーに重複あり)。
グループのメンバーが減ることに最近では慣れてきた感もあったが、やはりひと世代上のTOKIOから、自らの意思による脱退者が出たことの意味は大きい。
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