韓国…セクハラ・パワハラ大国、何でもちゃぶ台返しの「甲乙問題」とは?
妊婦のお腹を殴る事件の背景にも
2016年9月、ソウル地下鉄4号線で老人が優先席に座っていた妊婦のお腹を殴る事件が起きた。ソウルの地下鉄は各車両の両端に老弱者席が設置されているが、実態は高齢者専用席になっていて、着席している若い妊婦を高齢者が立たせる例は珍しくない。ソウルメトロは高齢者への啓蒙を断念し、老弱者から離れたところへ妊婦席を設置した。
2014年11月7日にはソウル江南区の住宅地、狎鴎亭洞のマンションで50代の警備員が焼身自殺を図り、今年5月にも同様にマンションの警備員が自殺した。いずれも住民から継続して暴言や暴行を受け、鬱になって自殺したのだ。
韓国ではパワハラを受けて鬱になる人が多く、鬱対策に取り組んでいる企業は少なくない。そもそもパワハラがなければ必要ない対策なのだが、パワハラの加害者は鬱対策の担当者にとっても上司にあたる。だから、トップのパワハラを諌めることはできず、被害者の鬱対策に精を出している。
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