韓国…セクハラ・パワハラ大国、何でもちゃぶ台返しの「甲乙問題」とは?
前政権の約束を反故にする大統領と同じ
会社では“乙”に甘んじる従業員も自分より立場が弱い相手の前では“甲”になる。乳業会社大手・南陽乳業の営業社員は、在庫を代理店主に押しつけながら暴言を吐き、酒造会社ペサンミョン酒家の代理店主は会社からの買い取り要求で増えた借金を苦に自殺した。
韓国企業と取引する日本企業は一方的な契約破棄に頭を抱えるが、これもまた「甲乙」に起因する。
組織のトップが直接指揮した契約は、組織一丸となって履行に務める。もっともこれは、契約相手や会社に対する責任からではない。約束を守らない人だというレッテルを貼られて後ろ指を指されることを、“甲”のプライドが許さないからだ。
また、新たに就任した役職者は、前任者が決めたことを反故にする。組織内のルールを変え、組織外と交わした契約をなかったことにして、自分に権限があることを目一杯アピールするのだ。
これらは、韓国の大統領がたびたび口にする日本への謝意要求と本質は同じである。90年代、日韓両国の首脳や閣僚は今以上に両国を相互訪問した。日本の首相は訪韓すると、まず大統領に心からの反省と謝罪を述べ、訪日した大統領への第一声も反省と謝罪だった。日本の首相から反省と謝罪を受け取った大統領は、以後、謝罪を要求することはなかった。
ところが大統領が変わると、前任者に述べられた謝罪はなかったことになり、再び謝罪要求を繰り返す。文政権は朴槿恵前政権が日本と交わした慰安婦合意を破棄し、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄を口にする。
政府や自治体、企業の役職者もまた、前政権の約束を率先して反故にする大統領を模倣するのだ。
「甲乙」は日常生活にも浸潤している。はじめて会った韓国人は、相手の年齢を聞きたがるのがそれだ。結果、年長者が甲となり、年少者は相手の言動に気を配る。
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