金正恩、不在100日へ…分析で改めて明らかになったフェイク動画の実態
金与正、金正哲に政権移譲が進むか
軍首脳部の中で数人の将軍がクビになり、新たな人事が行われました。普通に考えれば、軍部内で問題が発生し、これに対して問責を受けたと見なしうるものです。
しかし、別の角度からみれば、不在の兄・金正恩に代わって金与正が、自分の腹心を軍首脳部に送り込むための手続きであったとも捉えられます。
あるいは金正恩の兄の金正哲は、エリック・クラプトン好きとして知られ、呑気にギターを弾いて過ごしてきたわけですが、少し前に中央党組織指導部入りを果たしています。現在、保衛省、安全省、検察、裁判などを管轄する行政指導部を掌握した金正哲が、自分に有利な部下を要職に就ける手続きではないかとも言われています。
さて、ここから触れるのは、金正恩の動画に捏造の痕跡が発見されたということです。過去にもこの件について言及してきましたが、今回はパッと見ただけでは、大きく変わったところはないように思えます。裏返せば、それだけフェイク動画作成に注力したと言えるでしょう。
具体的には、全体3分34秒の動画を構成している要素を6040枚の静止画として切り出し、フォトショップで検証し、目に留まった不可解な点を見つけました。
元ソースは4Kで撮影されています。配信版はこれを4・5倍に圧縮したもので劣化はあるものの、隣にいる人の顔に特に不審な点はありません。しかし、金正恩の顔だけは粗くて歪んでいるのです。
奇妙な点は以下の通りです。
1.場面ごとに顔が変わり、別人のように映る
2.歯並びに手が加えられるなど、口元に過度な処理が確認できる
3.顏全般にわたりブラシの痕跡がある
4.特に怒った時の表情が、明らかに本人のものと違う
5.マイク周辺で、唇のピクセルが滲む
一部の専門家は、映像を圧縮する過程で歪む現象が出ると言いますが、それは鵜呑みにはできません。映像に偽者が登場し、これを実物に近づけるべく、無理な修正を重ねたと見る方が自然です。
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