金正恩、不在100日へ…分析で改めて明らかになったフェイク動画の実態
絶対にまともではない雲隠れ
朝鮮中央通信は7月19日、朝鮮労働党中央軍事委員会の拡大会議などが18日に平壌で開かれ、金正恩党委員長が指導を行ったと報じている。およそ20日に1度、金正恩は動画や画像として姿を現すものの、はっきりとした消息が伝えられることがないまま、7月末には不在100日が経過しようとしている。過去に例がない“記録”を更新しつつある中で、今回の会議の中身と、分析ソフトによって明らかになったフェイクの実態を明らかにする。北で博士号を取得した専門家の分析。
「金正恩がまったく表に出てこないわけじゃないだろ。だからおかしいと勘繰る必要もないよ」――。そういった声が聞こえてこないわけではありません。ですが、本当にそうでしょうか。
北朝鮮が動画を公開したとはいえ、そうでなかったら、100日となる日に国際社会は「金正恩はどこに行ったんだ!」と大騒ぎになるでしょう。中国は金正恩の生死を確認するため特使を送るかもしれません。
金正恩の長期的な雲隠れは絶対にまともだとは言えません。神秘性を高めるためとか、こっそりSLBMを開発しているとか、そういった考え方ができなくはないものの、動画や写真で登場する頻度が一定ではなく、日にちの間隔が大きすぎることに違和感を抱いてしまいます。
また、今回の党第7期5次全体会議で討議された内容を聞いてみると、自分たちだけで静かにやれば事足りるレベルのものです。にもかかわらず、写真を撮って動画を作りマスコミへ大々的に報道する理由は何なのかという疑問は拭えません。
北朝鮮は通常、幹部や住民、そして国際社会に知らしめる新政策や路線変更があるとき、最高指導者主催の会議を行ってきました。金正恩が雲隠れした4月からは、党中央軍事委員会、政治会議、政治局拡大会議などにおいて、金正恩は健在であり、政権は統制されているというアピールが節操なく、度を越して繰り返されているのです。
今回の全体会議とは一体どんなものだったのでしょうか?
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