「ツーブロック禁止」で…昔の「暴君教師さま」の拷問のような校則解釈

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 東京都の一部都立高校が禁止としている「ツーブロック」。東京都議会で取り上げられた際に教育長は、「その理由といたしましては、外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めているものでございます」と答弁。理由にならない理由に「ブラック校則」とさらなるブーイングもあがってきたのだが……。ある意味では過保護で平和な時代だからこそ成立する「ツーブロック禁止校則」。一方、かつて複数の「暴君教師さま」によって、“極めて恣意的な”校則の運用が行われていた時代があった。指導という名の体罰を受け続けた徳光正行が綴る。

「なんだその髪型? 似合ってないし、へんてこだな」

 年をとってからやってはいけないこと。「説教・昔話・自慢話」。これは敬愛する高田純次さんがおっしゃったお言葉です。実に的を射た名言であると感銘を受けました。私も齢48なのでそれをしないように心がけ、できるだけ実践しているのですが、昨今話題になっている「ブラック校則」「ツーブロック禁止」などという言葉を目にしますと、「昔話」だけはさせて頂けたらと思ってしまうわけでございます。

 昭和の校則だとか教師というものは、本当に今では考えられないくらい凄まじかった。本コラムをお読みいただいている私と同世代もしくは先輩の読者のみなさまで頷かれる方は少なくないでしょう。

 私が通っておりました中学校は私より数年上の方々の校内暴力に悩んでいたらしく、私の代や前後の世代に大変厳しい校則と強靭な肉体とメンタルを持つ体罰教師のみなさまが配置されておりました。中には尾木ママさんのような穏やかな先生もいらっしゃいましたが、そういう人格者は職員室カーストでかなり下の方に追いやられて、暴君のような体育教師やどうでもいいような教科の教師が幅を利かせ実効支配しているなと子供ながらに見て取れましたね。

 では具体的にどんなことが起こりどんなことをされたのか実例を挙げていきたいと思います。

「男子は襟足を伸ばすことを禁じ清潔な髪型にする」的な校則があり、登校時の学校の正門などで教師が目を光らせていました。ある朝、私を含めて数人がその検閲に引っかかってしまい、すぐに散髪を要求されたのです。

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