「文在寅」人気取り作戦のツケ…高齢者の雇用増、若者は国内就職諦めて国滅ぶ

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55歳以上は非正規のまま雇用を継続できるという魔のスパイラル

 もうひとつは失業手当金が枯渇する懸念だ。韓国内で新型コロナウイルスの感染が深刻化し 始めた2020年2月以降、失業手当の支給額が過去最高を更新している。

 2月は7819億ウォン、3月は8982億ウォンと過去最高を更新し、4月も9933億ウォンに達して、5月には1兆162億ウォン(約924億円)まで増大した。失業手当金が1兆ウォンを超えたのは、1995年の雇用保険制度導入以来、初めてだ。就業環境が改善されないと、失業手当金が枯渇する恐れがある。雇用労働部は高齢者の雇用促進に取り組む一方、失業手当の補正予算を申請する検討を始めた。

 韓国では採用から2年を経過した非正規職員は正規職化が義務付けられているが、55歳以上の非正規職員は最長5年まで正規職化することなく継続雇用が認められている。

 非正規職員は事業環境によって増やしたり、減らしたり弾力的な運用ができるが、正規職員は解雇が難しく、環境が悪化したからといって簡単に減らすことはできない。

 日本企業は長期的な展望や事業戦略をもとに人材を採用する。他方、韓国企業は目先の状況で人を増やしては解雇する。最長5年まで非正規職のまま雇用を継続できる55歳以上の従業員は、企業にとってリスクが小さいというわけだ。

 採用から2年を経過した非正規職の正規職化は、雇用の安定を目的とする制度だが、期限満了とともに雇用契約を打ち切る例が圧倒的に多い。期間契約社員として採用し、2年経つと更新や正規職化はせずに契約を打ち切って、新たな契約社員を採用する。その結果、若い非正規の勤労者は2年ごとに退職と就職を繰り返す。

 有能な契約社員を簡単に採用できるのか、という疑問が生じそうだが、労働者市場には2年ごとに職場が変わる若者で溢れており、企業が採用に困ることはない。

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