サイゼリヤに聞く「1円値上げ」の真意 「値下げしている商品もあり…」

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 バターライスにホワイトソースをかけて焼いた「ミラノ風ドリア」。本場ミラノにそんな料理はないが、ファミレス「サイゼリヤ」では定番メニューである。長らく299円という値段で頑張り、ドリンクバーを付けても2人で千円以下。徹底したコストカットの賜物でもある。

 ところが、そのドリアが7月1日から300円になった。わずか1円だが、常連客の動揺は大きい。

「ミラノ風ドリアだけではありません。マルゲリータピザも399円から400円になり、全体の9割が値上げになるというのです。ついにコスト増に耐え切れなくなったのでしょうか」(利用客)

 だが、サイゼリヤによると理由はコロナ対策だ。会計の際に、従業員と客との接触を極力減らすために考え出した策だという。

「価格改定では価格の末尾を、50円、00円に統一し、1円、5円、10円硬貨の使用を削減します。メニューの9割を1円~21円値上げし、残りの1割を10円~29円値下げしました。値上げのほとんどが1円なのに対し、購買頻度の高いライスやミニフィセル(パン)が19円の値下げとなっています。あくまでも目的はお客様に安心して食事を楽しんでいただくためです」(広報担当者)

 決して、値上げばかりではないというのだ。

 また、サイゼリヤは「機械設置に金がかかる」という理由でキャッシュレス対応を一部店舗を除いてしてこなかった。が、コロナ対策のために、8月から順次導入するという。

 去年の消費税増税の際にも価格据え置きを死守したサイゼリヤだが、コロナショックは税金より重かったのである。

週刊新潮 2020年7月16日号掲載

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