トキワ荘の漫画家たちが愛した老舗ラーメン店「松葉」 創業70年で突然行列が…
東京・豊島区の小さな商店街の一角に、創業約70年にして突然、行列のできる店になった老舗ラーメン店がある。店主やメニューが変わったわけではない。赤い暖簾は昭和レトロそのもの。コロナ禍にもかかわらず、急に開店から客が押し寄せるようになったワケは?
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店の名は「中華料理・松葉」。大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩8分、「トキワ荘通り・南長崎ニコニコ商店街」の中にある。
漫画好きの方ならご存じだろう。手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など昭和を代表する漫画家たちが若かりし頃、通ったことで知られる店だ。昭和20~30年代にかけて、彼らは「トキワ荘」という木造二階建てのアパートに集まって居住し切磋琢磨していた。このアパートの目と鼻の先に構え、新鋭マンガ家たちの胃袋を満たしていたのが松葉である。藤子不二雄A氏の作品にしばしば登場する、もじゃもじゃ頭の「小池さん」が、かぶりついていたラーメンのモデルとなったのはこの店だ。
筆者は10年ほど前からこの界隈に住んでおり、週二、三度、商店街を自転車で通りかかる。引っ越した当初、松葉にも二、三度食べに行ったこともあるが、つい最近まで行列など目撃したことはなかった。
松葉に長蛇の列が出来るようになったのは、7月7日、約300メートル離れた公園内に「トキワ荘マンガミュージアム」がオープンしてからのことである。トキワ荘は1982年(昭和57)年に老朽化のため解体されてしまい、現存しない。だが、再建を願う署名活動が起こり南長崎地域の商店街らが約10数年前から、「トキワ荘」の記憶を後世に遺し、地域活性事業の目玉とするプロジェクトを進めてきた。その集大成こそが、在りし日のトキワ荘を復元したミュージアム建設だったのだ。着工から1年半、コロナの影響で3カ月延期したものの、ミュージアムは無事開館。すると、ミュージアム帰りの客が、商店街をそぞろ歩くようになり、松葉へと集まるようになったのだ。
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