「将棋と囲碁」子どもにやらせるならどっち? 脳への効果は 「茂木健一郎」「萩本欽一」語る

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欽ちゃんは将棋推し、レジェンド中原誠名人は…

 他方、小学生の頃から齢76に至るまで将棋一筋というコメディアンの萩本欽一氏は、

「将棋をやれば、普段から困った時も諦めず何か逆転の手はないかと考える癖がつく。一番のボケ防止だよ」

 と自説を披露する。3年前に73歳から大学に通い出したことで話題になった欽ちゃんは、iPadを使った将棋が日課だそうで、

「コンピューター相手だと何度も“待った”ができるでしょ。それを繰り返すと思わぬ手を出してくるから面白い。で、こっちも幾つか手を考えるけど、若い頃と違って経験を積めば、コレは違うんじゃないかとか、あれこれ考え出して決まらない。将棋を指すとそんな自分の姿に気付かされるの。だから、今は仕事のことも一人で決めず、周囲に意見を求める方が安全だと思ってる」

 確かに、人は加齢と共に周りの意見を聞かなくなってガンコになり易い。棋歴50年余を誇る気象予報士の森田正光氏(67)も言う。

「とりわけ年齢を重ねると、日常生活で負けを認めづらくなります。けれど、真剣勝負の世界では齢に関係なく負けは負け。私も将棋をやることで、負けを受け入れる潔さと、勝つために力をつけようと思う前向きな思考を持ち続けています」

 シニア世代へは将棋を推す声が多い中、最後に意外な囲碁についての自説を語るのが将棋界のレジェンド、中原誠十六世名人(70)である。

「その人の性格にもよりますが、齢を重ねてから負けを突きつけられるのはキツイもの。勝負の付き方が緩やかな碁の方が性に合うかもしれません。囲碁は盤を石が埋め尽くしても、ギリギリ最後までどちらが勝ったか分からないことも多い。逆に将棋は勝敗がハッキリ決まるので、勝てば気分爽快で負ければ本当に悔しい。若いうちはその方がいいのかもしれませんが、そんな違いがあるからこそ、私も趣味で囲碁を楽しむことができるんですよ」

 これから貴方が手にしようとするのは、碁石か将棋の駒か――さぁ、どっち?

2020年7月19日掲載

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