「将棋と囲碁」子どもにやらせるならどっち? ビジネスに活きるのは 棋士の収入比較

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ホテルに「将棋サロン」はない!

 そんな囲碁派の猛攻に、将棋好きの企業人はどう応えるか。日本将棋連盟非常勤理事でフジテレビ専務の遠藤龍之介氏(61)が言う。

「昭和の時代、重役になったら『サンゴ』をやらないといけないとよく言われたものです。3つの“ゴ”という意味で、ひとつはゴルフ、もうひとつは小唄、最後が碁なんです。ゴルフは社交、小唄はお座敷で、囲碁は人脈作りに有効だとね。実際、サラリーマンでもお偉方はよく碁を打つ。将棋は庶民の娯楽で財界人との対局は少ないですね。ホテルオークラや全日空系列のホテルなどには囲碁サロンがあって社交場として賑わっていますが、私は将棋連盟にそういう場所を作った方がいいと言っているんです」

 確かに、都内の高級ホテルを調べると、囲碁ができるサロンは点在しているが、将棋については皆無なのだ。そんな遠藤氏も、囲碁を始めたのは40歳の時だそうだが、

「将来、重役になるのを見据えて始めたのかって? そうではないですよ。たまたまCS番組に出演した時、プロの囲碁棋士に負けて醜態を晒したので本格的に始めたのです。もともと父(作家の遠藤周作氏)は将棋を指していたので、私も小学生で自然と将棋を覚え、慶應大学でも将棋部でしたけどね。実際、どちらを子どもに教えてもいいと思うけど、井山君や藤井聡太君は何百年に1度の天才だから、皆さんのお子さんが2人のようになれないことだけは断言しておきますよ」

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