藤井聡太七段、最年少タイトル獲得…「将棋と囲碁」学力アップの軍配は?「つるの剛士」ら語る

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水野真紀さんのご子息は「囲碁」

 他方、囲碁を育児に取り入れたという女優の水野真紀さん(47)は、こんな経験談を明かしてくれた。

「12歳の一人息子は、夫(自民党の後藤田正純副幹事長)と囲碁を打つとコテンパンに負かしちゃう。3年前、小学4年の時に囲碁の全国大会(第36回文部科学大臣杯少年少女囲碁大会)で6位になったんです」

 そんな自慢のご子息は、幼稚園の年長から囲碁を始めたというから早熟である。

「今は小6になりましたが、囲碁効果で忍耐力や集中力が鍛えられ、学校でも算数の成績は悪くない。相手よりも広く陣地を取ることで勝つゲームですから、広い碁盤の上で目の足し算、引き算を常にやっているんです。また、局所的に相手と戦っていいのか、もっと他で攻める必要があるのではといった具合に、人生に必要な全体を見渡す大局観も学んでいると思います」

 普段は同じ年頃の子どもたちと一緒で、元気いっぱいのわんぱく少年だというが、運動会ではこんな不思議な出来事もあったそうだ。

「騎馬戦で勝った時、息子だけガッツポーズをしていなかったんです。相手を慮(おもんぱか)る他人への礼節を、囲碁から学んでくれたのだと感じました。彼は普段から不思議と目の前の人をライバル視したり、小さなことで自分と比較してモノを言うことがないんですよ。大局的に物事を見る心が養われているのかもしれません」

 むろん礼儀作法という点では将棋も負けていないと語るのは、女流三段で一般社団法人「日本まなび将棋普及協会」代表理事の高橋和(やまと)さん(41)だ。

「将棋は“お願いします”に始まり、最後はどちらかが“負けました”と頭を下げる。潔く負けを認めないといけません。対局後に盤や駒を片付けるのは勝っても負けても対局の上位者。勝負事ではありますが、勝っても決して驕らずに、相手を慮って礼を尽くすという精神を教えてくれます」

 現役を引退後、彼女は2016年から東京・吉祥寺で「将棋の森」を運営して、未就学児から小学校高学年まで80人ほどの子どもたちを相手に将棋を教えている。

「私は中学3年でプロになりましたが、元来、勝負事が好きでした。将棋は王将を仕留めれば勝ち。目的がハッキリしているので子どもたちも始めやすい。勝ち負けが分かりやすいから自分の力で道を切り開く楽しさがある。裏返せば全ての責任は自分にあって誰も助けてくれない。勝負の世界ですから、負けたのは相手が強いからではなく自分が弱いからだと省みる。謙虚な気持ちも養われます」

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