「元・遊廓」に生まれて―― 子孫が打ち明ける複雑心中

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 収められた写真を見た人は感嘆しつつも、心配になるのではないだろうか。

「これ、出して大丈夫なの?」と。

『遊廓』(渡辺豪・著)には、著者が全国で撮影したかつての遊廓の外観と内部の写真がふんだんに収録されている。廃屋もあれば、別の用途で使われている建物もある。

 かつて日本各地には俗に「遊廓」と呼ばれる、公然と売春を営む街があった。昭和33(1958)年4月に「売春防止法」が施行されたことで、約3万7000軒もの「遊廓」は消滅したが、いわゆる娼婦を置いて営業してきた娼家の建物自体は残り、転業して旅館となったものもあった。...

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