Jリーグ、超厳戒態勢の有観客試合でサポーターの反応はいつもとどこが違ったか
サポーターの本音は?
Jリーグは約4ヶ月ぶりに再開・開幕し、2節ほどをリモートマッチ(無観客試合)で実施後、7月10日のJ2リーグ、岡山対北九州戦から有観客試合へと移行した。これは「政府方針に則った」措置だが、改めてJリーグが作成した「超厳戒態勢時」の制限の考え方の主なものを紹介しよう。
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●観客の上限は5000人または会場収容人数の50%で少ない方にする。
●ビジター席の設置はしない。
●チケットは1試合毎の販売で、販売期間は1週間。シーズンシートかファンクラブのみとし、一般販売の有無はクラブにて決定する。
●選手の家族、代理人、サプライヤー、他クラブのスカウティングスタッフの来場は遠慮する(代表チームスタッフおよび審判インストラクターは来場を認められる)。
●手荷物検査と入場チケットはお客様にお願いする。
●入場ゲートでの検温(37・5度以上は入場不可)とマスクの着用の義務化。
そしてファン・サポーターには感染拡大防止のため、以下の行為が禁止された。
●応援を扇動する。
●歌を歌うなど声を出しての応援、指笛。
●手拍子。
●タオルマフラー、大旗を含むフラッグなどを“振る”もしくは“回す”。
●トラメガ(トランジスタメガホンの略。増幅器内蔵で電源を使う。ハンドマイクとも呼ばれる)を含むメガホンの使用。
●太鼓等の鳴り物。
●ハイタッチ、肩組み。
●ビッグフラッグ(ただし観客のいない席に掲出する場合は容認される。横断幕の掲出は容認)。
「超限界態勢時」だけに、色々と細かい規制があるのは仕方ないだろう。
さて、7月11日はJ2リーグの大宮対東京V戦をNACK5スタジアム大宮で、翌12日はJ1リーグの横浜FM対FC東京戦を日産スタジアムで取材した。
まず大宮対東京V戦である。スタジアムのキャパシティは1万5491人だから、5000人がマックスとなるが、実際の入場者数は2271人だった。
いつもならスタジアム周辺には長蛇の列ができるものの、この日はアウェー席もホーム用に開放することで「密」を避けようとしたのだろう。試合日というのにスタジアム周辺は閑散としていたのが印象的だった。
シーズンチケットを持っているという大宮サポーターに話を聞いたところ、クラブからは事前にシーズンチケットの1部もしくは全額を払い戻しか、全額寄付するかの案内が来たそうだ。
そこで50歳代の男性は「チーム強化のために使って欲しくて全額寄付しました。今日のチケットはネットから購入しました」とのこと。
ちなみに大宮のシーズンチケットは、自由席なら一般で2万8000円(ゴール裏)か4万2000円(バックスタンドSA席)なので、それを高いか安いか判断するのはサポーター個々の判断となる。
試合は開始52秒(公式記録は1分)、ホームの大宮がDF渡部大輔のチーム初シュートで先制すると、この1点を守りきって4連勝で首位をキープした。
そしてファン・サポーターの応援風景である。大宮がクリアやインターセプトで守備に好プレーを見せたり、スルーパスやサイドからのクロスで攻撃の形を作ったりすると、ゴール裏のサポーターだけでなくメインスタンドのファンから拍手が巻き起こった。
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