Netflix「日本沈没2020」は日本ヘイトか、はたまた原作への冒涜か
アニメーションの世界では国際協業はすでに当たり前となっている
ところで、この作品の制作には多くの外国人が参加しており、エンドロールにも多くの外国人の名前が見受けられる。アニメーション制作プロデューサーの Eunyoung Choiさんは、本作のアニメーション制作会社であるサイエンスSARUの代表取締役であり、製作委員会には中国人の名前も見受けられ、中国資本で韓国人が作ったアニメだから日本人のヘイトが描かれているとうがった見方をする意見もある。
しかしながら、これは正しくない。
アニメーションの世界では、海外の下請けを中心に国際協業が早くから行われてきた。近年は中国が幹事会社となり、むしろ日本が下請けのような形でアニメーションを制作するケースもある。しかしながら、「日本沈没2020」には、2006年の劇場実写版のスタッフが名を連ねており、むしろプロデューサーサイドと湯浅監督との間で制作に関する打ち合わせが行われており、外国人が参加しているから日本人のヘイトを否定的に描いているということはない。
Eunyoung Choiさんに限っていえば韓国出身のアニメーターであり、テレビシリーズ「ケモノヅメ」(2006年)に作画監督として参加して以来、湯浅監督の右腕として日本で活動している。これまで彼女が参加した作品から韓国の臭いを感じられるとは思わない。あくまでも時にアニメーターとして、時にプロデューサーとして湯浅作品を支えている存在だといえる。
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