コロナ感染者、東京都よりはるかに情報公開している足立区 247人のデータから見えるもの

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足立区の“リスト”から浮かぶ真実

 新宿区や世田谷区の公表状況は上でご覧いただいたが、そもそも東京都の発表はどのようになっているのだろうか。

 都の公式サイトには「都内の最新感染動向」というコーナーがある。例えば7月14日現在、累計の《陽性者数》は8189人となっており、うち《入院》は679人。《宿泊療養》は104人で、《自宅療養》は273人。そして《死亡》は325人となっている。

 例えば都が広報した(7月14日19時30分現在)の《都内感染者数(東京都発表)》を見てみよう。

 一応、都も足立区と同じように《No.》が振られている。この広報資料で冒頭に記載されているのは《7943》だ。

 このNo.7943は年代が20代で、性別は男性だと分かる。だが、他の《居住地、属性、渡航歴、接触歴等は、現在、調査中です》と書かれているだけだ。

 No.7943だけではなく、最後に記載されている《8085》番まで全く同じだ。リストは年代と性別を除き、巨大な空欄が表示されているだけなのだ。

 現在、調査中というのなら、後の広報資料に加筆が行われているのだろうか。調べてみると、それも違う。6月20日に広報された資料も同じように大半が空欄であり、それが埋まっている形跡は全くない。

 足立区の場合は、感染者の1人1人に番号が付けられ、その“個人情報”がしっかりと公表されている。

 例えば、《195》番は区内に住む30代の男性で、7月4日が診断日。彼は発熱があり、肺炎と味覚障害も確認されていた。だが、現在は《回復》した――こうしたことが全て分かるのだ。

 他にもある。《133》番は区内に住む80代の女性で、4月30日に診断が下った。女性は発熱と咳があり、急性呼吸器症状と重篤な肺炎も認められた。そして《死亡》と記載されている。

 東京都と足立区の公表内容が全く違うことがご理解いただけただろう。そこで、足立区が公開している情報を詳細に分析してみた。

 区内で初めて感染が発覚した――つまりNo.1――は3月3日。以来、7月11日までに247人がリスト化された。感染者の性別は男性が137人、女性が110人だ。

 年齢は《10歳未満》から《90代》まで10個に区分されている。感染者の多い順に並べてみると、次のようになる。

【1】20代(52人=21・05 %)
【2】30代(38人=15・38%)
【3】50代(35人=14・17%)
【4】40代(34人=13・77%)
【5】70代(32人=12・96%)
【6】60代(28人=11・34%)
【7】80代(9人=3・64%)
【8】10代(7人=2・83%)
【9】90代(6人=2・43%)
【9】10歳未満(6人=2・43%)

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