金正恩の死か危篤と関連…金与正が突然、米朝首脳会談を頑なに拒絶した理由
米国が絶対に受け入れられない条件
金与正の談話文には、自分たちが米朝首脳会談を望まない立場であること、そしてその理由を次のように述べたくだりがある。妥当性がなく、理解に苦しむ内容ばかりだが。
「私は朝米間の深刻な対立と解決できない意見の相違が存在する状態で、米国の決定的な立場の変化がない限り、今年中、そして今後も朝米首脳会談は不要であり、少なくとも我々には無益と考える。さらに、今年中の朝米首脳会談の可能性は、米国がどれほど望んでも、北朝鮮は受け入れるべきではないと考える」
「その理由を3つ言うなら、第1にそれを必要とするのは米国側だけであり、我々には無益だ。第2に新たな挑戦をする勇気もない米国人と向き合っても時間をつぶすだけで、維持されてきた首脳同士の特別な関係まで損ないかねない危険がある。第3にすでに価値のないボルトン(前大統領補佐官)は“トランプが大統領選直前に米朝会談を狙っている”と言ったが、そんなものには絶対に従う必要がない」
金与正が最も心配しているのは、米国から首脳会談を継続しようという提案がある場合と韓国が会談を仲裁すると言ってくることだ。そこで今回、米国が絶対に受け入れられない条件を1つ提示した。敵対視撤回である。
北朝鮮が要求する敵対視撤回は、在韓米軍の撤収、韓米同盟の解体、そして北朝鮮に対する批判の自制と即時的な対北朝鮮制裁の解除である。と同時に北朝鮮に対する人権侵害国家、宗教弾圧国家、テロ支援国、敵性国のレッテルを外せと言い、さらには、国際通貨システムを北朝鮮が自由に活用できるようにせよとも言っている。
米国が北朝鮮を敵対視し、また対立しているすべての要因を取り除くなら、米国と北朝鮮は国交を樹立できるだろうという主張だ。一口で言うと、米国の国家的価値と世界秩序のルールを完全に変えろということだが、これはトランプ大統領ではなく、同盟側が絶対に受け入れられない強い要求であるのは自明だろう。
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