お~いお茶やクラフトボスも次々“ゼロ”に ただ今「カフェインレス」飲料が増加中

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「レッドブル」や「モンスターエナジー」のヒットで、日本にも定着した感のあるエナジードリンク。カフェインの覚醒作用による“シャキッと”感が人気の理由だが、その一方で「カフェインゼロ」や「カフェインレス」の飲料が、次々と登場している。

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 伊藤園は6月29日に、おなじみ「お~いお茶」のカフェインゼロを新発売した。カフェイン量を抑えた茶葉を使用し、さらに独自の抽出技術によって「ゼロ」を実現したという。同社のリリース文書によると、「カフェインレス・ゼロ市場は直近5年で+27%拡大」しているそうで(マーケット調査会社「富士経済」の発表値として)市場のトレンドを取り入れた新たな取り組みということだろう。

 カフェインゼロの緑茶の先行商品としては、キリンビバレッジ「生茶」のデカフェ がある。こちらは2014年4月から発売されているロングセラー商品だが、〈茶葉の火入れと抽出温度を見直し〉(リリース文より)てリニューアルを行い、7月7日に新発売されている。

「カフェインレスの定番であるコーヒーでは、わりと早くから商品が出ていました。UCC上島珈琲が『BEANS&ROASTERS デカフェ・ラテ』を発売したのは昨年 ですし、やはり同じタイミングで ジョージアから『やさしいデカフェ・オレ』が出ています。その流れで、この7月には、あの『クラフトボス』(サントリー食品インターナショナル)のデカフェ商品も登場しました。“割って飲む”濃縮タイプのゼロ/レスコーヒー商品は割とあるのですが、手軽に飲めるボトルまたは缶タイプで、しかも大手から商品が発売されるというのが、ここ最近の流れでしょう」(業界誌記者)

 さらにはカフェインゼロの「エナジードリンク」なる商品も……。大正製薬が今年3月から発売している「RAIZIN(ライジン)」は、カロリーゼロ、砂糖ゼロ、そしてカフェインゼロという異色のエナジードリンク。カフェインの代わりに「生姜科植物ガランガルの地下茎」から抽出した「enXtra(エネキストラ)」を使用しているそう。7月21 日からは期間限定フレーバーの「スウィーティーレッド」も発売される。

「まだ、一部の店とネット上でしか買えませんが、最近、クルマの『ランボルギーニ』ブランドのエナジードリンクも日本上陸を果たし、そちらもカフェインレスですね。ただ、カフェインを含んだエナジードリンク市場も依然として堅調で、『レッドブル』や『モンスターエナジー』が新商品を投入しています。サントリーからは、“カフェイン入り炭酸水”の『サントリー天然水SPARKLE ジンジャー&カフェイン』も6月から販売されています。こちらは100mlあたりカフェインは15mgと、いわゆる普通のエナジー飲料に比べては半分の量ですね。カフェインという点から飲料業界を見ると、カフェイン、ノンカフェイン、それぞれに高い需要がある面白い状況になっています」(同)

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