驚きの棒読み「吉川晃司」が演じる横溝正史ドラマの見どころ

  • ブックマーク

 横溝正史は映画やドラマから入る人が多いと思う。私もそうなのだが、古い文庫本も14冊持っている(たぶん学生時代に古本屋で買い漁った)。角川文庫の黒い背表紙に緑字のタイトルのシリーズで、表紙は杉本一文の妙に極彩色でおどろおどろしい絵だ。おかげで横溝といえば映像だけでなく、杉本画伯の絵もセットで思い出してしまうのである。

 そんな「横溝感」を餌にした新作ドラマが。「探偵・由利麟太郎」(フジ)だ。主演は久しぶりに全身を観た気がする吉川晃司。元・警視庁捜査1課長で今は犯罪心理学者、学生時代にアメリカのロッキー山脈で出会ったハンターから学んだトレース技術に基づく推理……つって横溝感ゼロやないかーい! あまりに華麗なる経歴は、昨今疑われるに限る。...

つづきを読む