プロ野球「有観客開幕」、こっそりアルコールにハイタッチ…応援団入場も懸念

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鳴り物使う「応援団」も入場へ、飛沫感染リスクは?

 少し説明すると、プロ野球では従来より、球場で応援するファンらの秩序維持のため、NPBや各球団の審査を経て認められた応援団のみ、トランペットや太鼓を使った鳴り物入り応援が認められている。NPB関係者によると、8月1日からさらに入場制限緩和が進むことで、ファンの人数も増えるため、応援をリードする応援団の入場を積極的に認めようとする球団がある。他方、「いくらシートなどで飛沫感染対策をしても、鳴り物入り応援は感染リスクが高い」として、応援団の入場を一切認めない球団もあるという。

 さる球団幹部は「主催者側が一生懸命対策しても、ルールを守らないファンがいれば感染リスクは避けられず、今のまま2万人以上のファンを入れるなんて考えられない」とこぼす。また、選手の間でも、球場のファンの生歓声を歓迎する声が上がる一方、「球場によってはファンとの距離が近すぎて、感染が怖い」「鳴り物入りの応援がない分、変なヤジが響いてやりづらい」といった不満の声も聞こえてくる。

 プロ野球の各現場で生まれるこうした危機感からすると、入場するファンの数を5000人以内から1か月足らずで2万人以上にまで増やすのは時期尚早ではないだろうか。

 優れた危機管理とは――。当然、それは最悪の事態を想定することだ。プロ野球をはじめとしたイベント開催の是非に関する専門家らの検討は、ルールが守られる「性善説」にたって進められたに違いない。今後、プロ野球の有観客試合ではルールを守るファンのモラルが不可欠なのはもちろんだが、このまま人数を大幅に増やしていくことに本当に問題がないのか、改めて検討する必要があるだろう。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月12日掲載

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