なぜ今?発売から42年「たべっ子どうぶつ」が次々グッズ化 ギンビスに聞く“狙い”

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創業90周年と100年ブランド

 そして、昨年から積極的にグッズが展開されているわけだが、

「『一番くじ』に関しては、今年弊社が創業90周年であることを踏まえたブランド戦略の一環です。グッズ化を通して、老若男女幅広い層に『たべっ子どうぶつ』を思い出していただき、さらに身近に感じていただきたいという想いで企画しました。『たべっ子どうぶつ』の賑やかで優しいイメージをグッズで表現したいというコンセプトから、ああいったグッズになったのです」(坂井さん)

 お菓子の「たべっ子どうぶつ」のメインターゲットは子どもたちだが、グッズの購買層はさまざまだ。ショッピングモールに多く設置されているカプセルトイは、世代や年齢を問わず幅広い層に購入されているといい、またかわいらしい見た目ながら、フィギュア好きの男性からも熱い支持を得ているという。一方で、「一番くじ」はクッションやブランケット、バッグなど女性向けのラインナップが多いためか、OL層に特に人気が高い。「大人買い」をするファンも少なくないそうだ。

 グッズ人気に伴い、多くの人々にブランドを再認知させることができたのは間違いなさそうだ。

 創業90年のギンビスには、「たべっ子どうぶつ」のほかにも、おなじみの定番商品がある。「アスパラガスビスケット」は「たべっ子どうぶつ」より歴史のある52年選手であり、「しみチョココーン」も17年目。ギンビスとしてはこれらを「100年ブランド」に育てる狙いがあると、坂井さんはいう。

「『変えない』ことがわれわれの戦略です。主力商品は発売時の良さを守り、これからも変わらない味とパッケージを届け続けることが使命だと思っています。子どもたちはもちろん、『たべっ子どうぶつ』を卒業した大人世代に思い出し、また手を伸ばしてもらうきっかけになるよう、今後もグッズ展開は行っていきたいと考えています。少子化対策も視野に入れながら、世代を超えて愛されるお菓子を届け続けていきたいです」(坂井さん)

 変化の激しい世の中だからこそ、「変わらないもの」に大きな価値が生まれるのかもしれない。

万亀すぱえ/編集者・ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月11日掲載

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