グリーンウェルからソラーテまで……阪神「ダメ外国人」列伝 バースの再来はない?

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58打席連続無打点の選手も

 次は、07年オフに“選球眼が良く、確実性のある中距離打者”という触れ込みで入団したルー・フォード(43)だ。

 しかし、フタを開けてみるとさっぱりで、パワーなしの貧打で鈍足、さらに守備も下手と、いいところなしのダメ外人だった。その名前から“廃車”や“ポンコツ車”と揶揄されたほど。

 ある試合で、ワンバウンドしたボール球に2度も手を出して三振した際には、当時の岡田彰布監督(62)から、「この中で1人野球が分かっていないヤツがおる」と言われるくらいの逆鱗に触れ、その翌日にシーズン3度目となる2軍落ちをしている。

 結局、47試合で2割2分5厘、3本塁打、11打点という低調な結果しか残せず、チームがクライマックスシリーズを控えていたにもかかわらず帰国し、そのまま退団してしまった。

 そしてこのフォードを超えるダメさ加減だったのが、09年に年俸1億8000万円の1年契約で入団したケビン・メンチ(42)である。

 メジャー通算89本塁打、04年には26本塁打を記録し、06年4月には右打者のメジャー記録となる7試合連続本塁打を放った、超大物助っ人として来日した。

 破壊力抜群のパワーに加え、強肩&攻撃的な走塁も魅力で走攻守3拍子揃った4番候補の大砲として期待されていた……ハズだった。

 ところが、いざオープン戦に突入すると140キロ前後の直球にさえ対応できず、変化球も全く打てない。不振を極めた結果、開幕からわずか1カ月たらずで1軍登録抹消の憂き目にあってしまう。

 それでもなんとか2軍で調子を上げて5月には1軍に復帰したが、2試合連続ノーヒットと結果を出せず、わずか3日で再び2軍落ちしてしまった。

 その後、夫人の出産に立ち会うため7月に帰国したが、そのまま再来日することはなかった。この年の11月に正式退団。結局、出場15試合で打率1割4分8厘、2打点で本塁打0という記録が残っている。

 このメンチに負けるとも劣らない低成績を残したのが、12年オフに契約したブルックス・コンラッド(40)だ。

 契約時に、13歳のときに来日した過去を明かして親日家の一面を披露し、優良外人かと思われたのだが……。

 助っ人としては珍しいスイッチヒッターで、パワフルな右打席、確実性の高い左打席との触れ込みだった。唯一不安視されたのが,当時の中村勝広GM(1949~2015)が“ビデオ映像を2分間観ただけで獲得を決めた”とする一部スポーツ紙の報道だ。

 そして案の定、その不安が的中する。オープン戦から開幕直後までは好調をキープしていたものの、早くも4月中旬には開幕から58打席連続無打点という、これまでの阪神の来日1年目の外国人選手としては球団ワーストの記録を作ってしまったのだ。

 こうして本塁打&打点とも0のまま、4月下旬に登録が抹消される。5月下旬に再登録されるも、そこでも7打数で5三振と結果が出せず、再び2軍落ち。公式戦終盤の9月下旬に帰国し、そのまま退団が決定してしまった。

 最終成績は、出場24試合で57打数10安打の打率1割7分5厘。本塁打と打点は共に0は、いまだに熱烈な虎党から“伝説”と囁かれている。このあまりの醜態に、次の助っ人外国人は1本塁打・1打点以上を記録したら“当たり”とネタにされたとかされなかったとか。

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